ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


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グローバルネット記事『“市民自治体”という発想の街づくり』

転居に伴い、月刊誌『グローバルネット』での連載「ベルリン発サステナブルライフ考」も9月号で最終回となりました。1年半の間、自由に書かせていただいた編集部の皆様、有難うございました。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』9月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
“市民自治体”という発想の街づくり
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 夏の休暇から戻ったあたりから街の至るところにプラカードが見られるようになった。ベルリンでは9月18日に市長選を控えている。ベルリン市は単独で一つの州を成しているため、事実上は州選挙だ。現在のゲイの市長ヴォーヴェライト氏(ドイツ社会民主党)はある意味ベルリンらしさを象徴していて根強い人気だが、今期、緑の党からレナーテ・キュナスト氏が出馬を表明して注目を浴びている。彼女はかつて連邦消費者保護・食料・農業大臣として有機農業の拡大を目指して意欲的な目標を打ち出した女性。フクシマの後に行われたバーデン=ヴュルテンベルク州選挙では州レベルで初の緑の党の首長が誕生したが、首都ベルリンではどうなるだろうか。

自治体の予算編成に市民が参加

 ベルリン市では12ある区のうち八つの区が市民予算という地域の予算編成に市民の意見を取り入れる制度を導入している。私の住むフリードリヒスハイン=クロイツベルク区でも2008年に導入され、私もこれまで地区の集会などで要望を上げてきた。ここでは国籍も、選挙権も、年齢も問われず、住民か区内で事業を行っていれば誰でも参加できる。市民の意見を聞く方法は自治体によって異なるが、わが区ではまず次年度予算を市民に公開し、市民が行政窓口や郵送、インターネット等で要望を出す。「あそこの角の緑地を整備してほしい」「○○保育所の保育士の人数を増やしてほしい」など、かなり具体的だ。次に地区ごとに集会を催し、その地区の要望を絞る。それを区議会と行政担当者で検討する。

 私の区は経験が浅く、市民に浸透しているとはいえないが、2005年から導入しているお隣のリヒテンベルク区では成果を上げ、参加率も2割程度に増えてきた。対象は17分野で、3,200万ユーロ分の予算が市民予算で調整される。これまで市民大学での移民対象のドイツ語講座や並木道へのベンチ設置など、平均して市民の提案の約4分の1が実現している。地区ごとの集会では託児や手話のサービスも用意され、誰もが参加しやすいようにしている。以前クリスティーナ・エムリッヒ区長さんに話を聞いたところ、この市民予算制度は職員の反発を押し切って区長がトップダウンで導入したそうだ。この制度によって市民とのコミュニケーションが円滑になり、今では職員もこの制度に満足しているという。

 ドイツでは不況の影響もあって市民予算制度の導入はここ3年で急速に進み、現在80以上の自治体が導入し、導入の議論をしている自治体を合わせると200近くに上る。ケルン市では毎年テーマを変えており、2010年は教育と環境保護がテーマだった。環境保護分野では、街路樹の植樹、壁面緑化、森の学校の維持、環境教育のコンセプト作り、自転車道の補修、車の速度制限ゾーンの設置などに予算を追加配分した。このように制度も多様化している。

“市民自治体”への道

 このリヒテンベルク区は、“市民自治体”を目指してこの市民予算制度に取り組んでいる。ベルリン市では2001年にそれまでの行政区が統合されて、一つひとつの区の規模が大きくなった。その際にリヒテンベルク区が主眼を置いたのが、“地域”で、区内を13ヵ所に区分けして地域センターを置き、特色づくりや取り組みを強化してきた。旧東ドイツ側に位置する同区は統一後の急速な変化の中で、いまだ抱える課題も多い。そんな中、市民一人ひとりの関与を重視した。市民予算制度も年々仕組みを改善して、市民の手で回るように運営自体における市民の関わりを強化している。例えば地域ごとの集会は、最初は行政が主催していたが、今では各地域の市民やNPOが行政の予算を切り盛りして、資料作成や広報を担っている。

 そもそも“市民自治体”とは何だろう。自治体の代議的な意思決定を、直接民主主義的な形態や、市民の自由意志や対話など民主的な協働によって補おうというものだ。ライプチヒ市では、市民活動のために事務所を提供したり、子供が生まれた全家庭にアンケートを行って要望を確認したりしている。エッセン市では、ボランティア・エージェントを作り、ボランティアをしたい個人や企業などを集めて公共の活動への仲介を行っていて、この団体運営自体も将来的には市民が行うことを目指している。

 市民参加の強化に長く取り組んでいるフィルンハイム市の市長の「市民自治体は議決できるものではなく、育つか育たないかだ。しかしそれを育てようとすることはできる」という言葉に反映されているように、市民自治体を宣言することには意味はなく、それを目指す継続したプロセスでの学びが各自治体に実りをもたらしている。ここでは各団体や企業、政治、行政からのアクターと市民が互いを尊重し、協力して自治体の方針や目標設定に携わる。市民にはさまざまな参加の機会によって社会的・文化的インフラを共に整備する権利が与えられるとともに、行政サービスの顧客としてだけでなく自治体を共に作る役割を請け負う。行政側は生活者の視点やニーズが得られるため、よりきめ細やかで効率よく質の良い対応ができる。どこの広場のベンチが壊れているかは住民がよく知っているというわけだ。また、市民のボランティア活動や相互扶助の価値をこれまで以上に公が認め、職業以外で個人が活躍できる舞台を地域に作る。地元企業の社会貢献を促すことも重視している。地域住民としての自覚を育むことで、自治へのコミットメントを促すということだ。 こうした市民自治体を目標とする動きはドイツ各地、そしてフランスやベルギーなど欧州全体へと広がりを見せている。そして、市民予算制度はこの市民自治体のコンセプトの中核を担うものとして位置付けられ、相互作用的に広まっている。

誰もが“自分の街”づくりに参加できる

 原発の稼働延長議論と並んで昨年ドイツ社会を騒がせた問題に「シュツットガルト21」がある。駅前大規模開発事業をめぐる対立だが、民主的決定プロセスや透明性の問題が次々と浮上し、一地域の問題から警察も力ずくで沈静化を図るほどの大騒動へと発展し、ドイツ中で物議を醸した。その反省から、今、ドイツでは再び市民参加の議論が活発になされ、3.11後の脱原発を決めるプロセスでもテレビでの公開討論を行うなど、影響を与えている。

 4年暮らしたベルリンをまもなく離れるが、「この街が好き!」という人が集まっているところが大好きだった。街の一等地にあるジャンダルメンマルクト広場の再開発では、街路樹の伐採の是非が問われて半年ほど前に対話の場が設けられた(写真)。
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驚くことに、この集会には住民のみならずツーリストも参加できた。この歴史的由緒ある広場はツーリストのための場でもあるから、という発想だ。ここにベルリンの懐の深さを感じた。結果に法的拘束力はなかったが、伐採計画は変更となった。このようなドイツの地域レベルの取り組みは、もちろん急に育ったわけでなく、ローカルアジェンダで市民と行政との協働を強化していったという基盤がある。顔の見える規模から始めて、地域→地方自治体→国→世界と視野を広げたら、もう誰もが地球市民。どこにいても「ここは自分の街」と思えるように魅力的な“街”を創っていくしかない。

本連載は今回で最終回となります。
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by yumikov | 2011-11-04 15:10 | 環境のこと

グローバルネット記事『都会の子供の遊び場』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。7月号では都会の子供の遊び場というテーマで書きました。ベルリンほど子育てしやすい”都会”というのはそうそうないように思います。あくまで”都会”の話ですが。

原稿で取り上げたのは主に子供の遊び場ですが、ベビーカーと一緒に入れる映画館、子供の遊ぶスペースのあるカフェやパン屋さんそしてビアガーデン、子育て中でも多くをあきらめまいとする子育て世代の親のためのサービスも充実しています。

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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』7月号より転載)
ベルリン発サステナブルライフ考
都会の子供の遊び場
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 「少年少女は誰でも本能のおもむくまま思いっきり遊ぶ性分だ。それには動物や水、泥んこ、草むら、遊ぶための空間といった彼らと同じく徹底的にエレメンタリーなものが必要だ。これらなしで、絨毯やぬいぐるみ、舗装された道路や庭で育てることもできる。それでも生きるのには困らないが、彼らが後になって基本的な社会性の一部を体得できていなくても驚かないことだ。」アレクサンダー・ミッチャーリッヒ(ドイツの精神分析医兼作家)

 都心での子育てには車の交通や大気汚染など心配がつきまとう。ドイツ各地にある市民農園クラインガルテンは別名シュレーバーガルテンといい、自宅に庭のない都会の子供の健康を保つ機能としてシュレーバーさんという医師の提唱で19世紀半ばから広まったものだ。私たち家族もささやかな自家栽培のために4年前から借りているが、おかげで息子もミミズやカエル、ハチ、てんとう虫などと出会い、野菜づくりの様子を目にすることができている。

 子供の一般的な遊び場としての児童公園は、ベルリンでは充実している。街のいたる所に見受けられる印象だが、公的な児童公園は18歳以下の子供50万人に対し1,850ヵ所で、ベルリン児童公園法の指針の6割に過ぎず増設中だという。標準的な児童公園で2,000m2以上とゆったりとしており、起伏があったり近自然的な小川が流れたりと、画一的ではない。遊具は木製がスタンダードで、周囲の植栽にもよくとけ込んでいる。EN 1176というヨーロッパ19ヵ国共通の安全基準が遊具には適用され、認証機関TÜVの検査と認証が求められるため安全性も高い。ここはバイキング、あちらはインディアンと、公園ごとにコンセプトが異なり、カフェめぐりならぬ遊び場めぐりをするのも楽しい。
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 ベルリンの素敵な遊び場ランキングの上位にいつも入ってくる遊び場、通称ドラゴンランド(写真上)。それもそのはず、子供が計画に参加してできた遊び場だ。子供たちからの注文は、大きな子も小さな子も安全に遊べ、外からも中からも登ることができ、すべり台がついていて水遊びができるドラゴンだった。都市計画を請け負う会社が計画ワークショップに地域の子供たちと親を招き、そこで出た案を景観計画会社がモデルに起こした。仕上げの塗装なども子供たちが手伝い、全長17mの木製のドラゴンができあがった。この地区だけでも三つの遊び場が子供参加プロセスによって誕生している。

東で始まったプレイカー運動

 近所の教会前広場には、多彩な遊び道具を満載したワゴンが毎週やってくる。遊びを出前するというアイデアだ。このプレイカーは春から秋までの間、区内五つの広場を日替わりで回っている。今でこそ行政からの補助で2人の保育士が雇われているが、もとは旧東ドイツ時代に人口密度の高いこの地域で親たちが自主的に始めたもので、当時はリヤカーで遊具を運んだという。今は大概どの広場にも遊び場はあるのだが、プレイカーが運んでくるのは遊具だけでなく「テーマ性のある遊び」だ。今週は鍛冶屋、来週は病院、再来週は船乗り、と原っぱに別世界が登場する。とはいえ道具は板や棒などの廃材や布やロープで手作りしたシンプルなものばかりで、遊び方は子供たち次第だ。保育士は子供たちのサポートはするものの、想像力の邪魔をしないよう極力口は出さない。こうした可動性のある遊び場なら子供人口の変動にも柔軟に対応できる上、何しろコストが少なくて済む、といいことづくめだ。

西で始まった子供農園と冒険遊び場

 私たち家族がよく足を運ぶのがクロイツベルクの子供農園だ。園内ではヤギやウサギ、ロバやアヒルなどの動物が飼育されており、子供たちは指導を受けながら動物に触れたり餌をやったりできる(写真下)。ハーブガーデンがあったり、砂場などの遊び場やカフェも併設されている。就学年齢にもなれば、廃材などのガラクタを使って隠れ家作りなどができる冒険遊び場というのもある。ツリーハウスを作ったり、藁と土でレンガを作って壁に積み上げたりと、大人でも夢中になりそうだ。ここではノコギリもトンカチも、火を使うことも許される。親としてはハラハラしそうな場面もあるが、そこは指導員がいて安全面に配慮しているだけでなく、こうした場での事故や怪我がむしろ少ないことは証明されている。
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 この冒険遊び場は、整備された遊び場を子供に与えるよりも、荒れた空き地に子供自身が世界を作るほうがいいという発想で1940年代にデンマークで始まり、以後ヨーロッパに広まった。ドイツでは戦後の復興で時を待ったが、1960年代終わりから70年代頭の学生運動が盛んな時期に、オルタナティブな教育が求められた流れで、冒険遊び場が西ドイツに次々と建てられたというのもうなずける。ベルリンの壁崩壊後には、東ドイツでプレーカー運動をしていた人びとが中心となって、旧東にも子供農園や冒険遊び場が作られ、現在はドイツに400ヵ所以上存在するという。ドイツでは子供農園と冒険遊び場は、都会で自然環境への責任や、限りある資源を実践で学ぶ施設として共通の理念やコンセプトを持ち、併設されていることも多い。家畜の糞からコンポストを作り、それで野菜づくりをしたり、冒険遊び場に小動物のための巣を設けたりと、二つを線引きする必要がないのだという。ここでは年齢も性別も国籍も異なる子供が、違いを個性として尊重して共に遊び、社会性も育める。持続可能な都市づくりの先駆的な例としても広く認められている。

みんなの自発性から育てる遊び場づくり

 これらの遊びの場はいずれも親が主体となってボランタリーに始めたもので、活動が行政に認められてサポートを受けるようになった点が共通している。誰もがアクセスできるようにと利用料というのはない。だが、自治体の財政も逼迫するなか、寄付やボランティアは重要な支えとなっている。また、プレイカーでは遊具のメンテナンス、子供の農園では家畜小屋の掃除などと、子供も遊ぶだけでなく主体的に手伝う。これら施設には誰もが自主的に関わっているのだ。

 私自身は田舎で育ったので、幼い頃の遊び場は田んぼのあぜ道や庭や畑、用水路など、たまにお寺のブランコに乗るくらいで公園で遊んだ記憶がない。ベルリンは都市なりに上述のような魅力的な遊び場があるが、それでも都会での子育てには戸惑いがある。そうこうするうちに、とりわけ日本では、安全な空気や水、土壌が手に届きにくいものとなってしまった。子供たちから水たまりや砂場を取り上げることなど誰がしたいだろうか。今、子育て世代の自発性が試されているような気がしてならない。

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by yumikov | 2011-08-24 17:04 | 環境のこと

グローバルネット記事『原子力エネルギー×持続可能な発展のための教育(ESD)』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。5月号のテーマは、サステナビリティ教育の視点からみた「原子力エネルギー」です。タイムリーな話題を多くの方に読んでほしいという編集部の計らいで、通常よりも早いタイミングでの転載を許可いただきました。グローバルネットの特集も「災いを転じて・・・」と興味深いものですので、本誌のほうもぜひお読みください。

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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』5月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
原子力エネルギー×持続可能な発展のための教育(ESD)
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


3.11の後、ドイツの教育関係者も対応に大わらわだ。地震や津波そして原発事故について子供たちに説明する必要性に迫られているからだ。州の教育担当や環境教育や政治教育センターなど、まず現場に近い機関が迅速に動いて授業に活用できる情報源をまとめた。教材専門の出版社は専用の教材を作成し、無料ダウンロードできるようにした。政府も背景情報を学ぶための情報源などを公開している。エネルギー教育を行うNGOはひっぱりだこだ。ドイツの子供たちも不安を抱えており、親としても説明が求められる。

 そのなかで教育・科学組合(GEW)の反応が注目されている。これは保育士や教員、研究者の労働組合であり、ドイツ最大の労働組合組織ドイツ労働総同盟(DGB)の傘下にある教育部門という位置づけである。GEWは3月17日開催の理事会で一つの宣言文を採択した。これは日本の災害を受けた宣言で、原子力エネルギーとの決別を名言している。

 宣言文の後半の要旨は以下の通りだ。「われわれは教育者の組合として、今日および将来世代が人間の尊厳ある健やかな生活を送れることを目指しており、そのため原子力エネルギーの利用を明確に拒否する。原子力発電所の稼働延長を即刻撤回し、脱原発を貫くことを(政府に)要求する。青少年や大人が日本の災害を正しく理解する手助けをし、大学講義や授業、保育、研究会、公的な催しなどにおいては、原子力の危険性を批判的に見た上で解釈するよう、組合員に呼びかける。学校や大学のカリキュラムに持続可能な発展のための教育(ESD)を組み込むことを求める。大学や研究機関、研究助成機関、研究者個人には、自らの研究活動の帰結を常に省察し、科学の社会的な責任を意識することを期待する。大学や研究機関は研究やテクノロジーの影響を体系的に研究し、その結果を公で議論できるようアクセス自由にしなければならない」
 GEWはすでに1980年に原子力のエネルギー利用を拒否する採択をしているが、3.11を機にその立場を強めていく決意を発表したことになる。

 ドイツでエネルギー教育といえば再生可能エネルギーや省エネが中心で、原子力をメインに据える例を聞いたことがなかった。そこで教員やESD関係者、NGOに話を聞き、各州のカリキュラムも見たが、学校の授業自体で扱う内容に大幅に差があるとは思えない。原子力産業による教材もあるが、電力会社も教育活動としては火力発電に重点を置いている。調べるうちに、原子力エネルギーを持続可能な発展のための教育(ESD)で扱う例が出てきた。


話題を呼んだ連邦環境省の教材

 ドイツ連邦環境省は2007年に「停めても全然問題ない?〜脱原発をめぐる事実と論点」という教材を作成した(下写真)。これは脱原発政策を進めた前政権下で作成されたもので、教員が自由に活用できるようウェブサイトからダウンロードできる。子供たちがドイツの原子力エネルギー利用の実状やリスクを整理し、対立するさまざまな意見を知った上で、年齢相応の自然科学的・技術的知識に照らして原子力エネルギーに対する自分の考え方を構築し、それを精査できるようになるのがねらいだ。

 教材は、ワークシート、参考情報、インターネットでの調べ学習のためのリンク集、理解度チェックのためのテストと解答例、教員向けの情報で構成されている。対象は8〜10学年(13〜16歳)だ。ワークシートは、電力供給、気候影響、原料、事故、放射性廃棄物と最終貯蔵をテーマに対立する意見を学びながら進む。合間にはリスクに対する見方の違いや、チェルノブイリ事故の経過、世界での原子力エネルギー利用とその事情、各原子力発電所の停止スケジュール(当時)などの情報も掲載されている。教員向けの情報としては、ワークシートの活用法や解説、カリキュラムや各教科との関連が書かれていて、科学的リテラシーの説明と練習問題での評価法、ESDの対象となるコンピテンシーの説明と自然科学分野での学習目標の例、原子力エネルギーをテーマとした学習目標の例などが丁寧に説明されている。

 ドイツのESDの第一人者ベルリン自由大学のデ・ハーン教授が教材開発のプロジェクトメンバーに入っていただけのことはある。これを読むと、魅力的で前向きな原子力エネルギー授業ができそうな気になる。教材は国連ESDの10年のドイツオフィシャルプロジェクトの認定も受けている。練習問題に「地球サミットで定められた予防原則と照らして原子力エネルギーを捉えると、どのようなことが導き出されるか」といった問いまで登場するのには驚いた。確かに中立的に対立する意見を取り上げてはいるが、私には脱原発を正しく理解するための「脱原発教材」に見える。

 脱原発を望む人びとは政策の流れに合わせて作成されたこの政府の教材を歓迎した。しかし、連邦経済技術省や一部の政党からは「原子力に対してネガティブな見方に偏っている」「現在開発中の技術の説明やデータが載せられていない」など強い反発が起きた。しかし環境省は対応を変えなかった。現政権に代わった直後、この教材は突然ウェブサイトから消えた。今度はNGOが抗議し、現在はまた配布されるようになった。脱原発をめぐる議論が急速に動いている今、一部の内容は現状と合っていないが、原子力というテーマを前向きに扱う視点として、今なお参考に値する。


若者による若者のためのエネルギー教育

 上写真の三つ折りリーフレットはシリーズになっている。「ウランはどこからくる?」「核廃棄物はどこへ?」「原子力発電は温暖化を救う?」「原子力発電の電力は一体いくら?」など、原子力にまつわるティーンエージャーからの代表的な質問に答える形式だ。このリーフレットを作ったのは、自然の友という自然保護団体の青年部が立ち上げた「脱原発に関する環境教育イニシアティブ COUNTDOWN 2021」である。メンバーは16〜24歳の若者だ。

 彼らは、脱原発はESDにおいても重要なテーマであるとみなし、若者への情報発信を行っている。脱原発を考えるには十分な背景知識が必要だが、若者にとっては専門的な情報や報道をそのままのかたちで消化するのは難しい。それをかみ砕いて説明しているのがこのリーフレットだ。学校授業での活用も勧めている。ウェブサイトも充実しており、脱原発に関する情報を発信している。各政党の脱原発に対するポジションも公開しているが、これは原子力発電所の稼働延長が争点となった2009年の総選挙前に、各候補者に公開質問状を出して得た回答だ。ここで彼らは、エネルギー政策は未来世代に関わる問題であるにも関わらず、選挙権がない18歳以下は問題の決定に参加することができないという矛盾を突きつけ、選挙権のない子供たちの声も代表することになることを念頭において欲しいと訴えている。

 政府の教材の最後は、ドイツ基本法第20a条の言葉で締めくくられる。「国家は将来世代に対する責任においてもまた、生命に不可欠な自然条件を保護する」。サステナビリティの視点で原子力エネルギーを見る。私たちもそのトレーニングをしていこうじゃないか。
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ドイツ連邦環境省の教材「停めても全然問題ない?〜脱原発をめぐる事実と論点」へのリンクはこちら

脱原発に関する環境教育イニシアティブ COUNTDOWN 2021へのリンクはこちら
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by yumikov | 2011-05-24 20:06 | 環境のこと

グローバルネット記事『暖房キノコとたばこのいい関係?』

月刊誌『グローバルネット』に連載中の記事、3月号には暖房キノコと呼ばれる屋外用ヒーターを取り上げました。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』3月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
暖房キノコとたばこのいい関係?
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


ヨーロッパでの暮らしでカフェは身近な存在で、皆ゆったりと時を過ごしているように見える。とくに人気なのが店外のオープンカフェスペースだ。夏場など外は満席、店内はがらがらということはざらだ。肌寒い季節でもコートを着たまま外に腰かける人も珍しくない。それが何年前からだろうか、カフェやレストランのオープンスペースで長身の円筒型のヒーターを目にするようになった。アルミニウムの反射板が傘となっているその姿から暖房キノコと呼ばれている(写真)。

煌々と火が焚かれるそばに腰を下ろせば、暖をとりながら食事やお茶ができるというわけだ。調べてみると2004年の冷夏の際に人気が急上昇し、2008年までにベルリンだけでも5,000台に増えたといわれる。

喫煙者の健康を守る?ガスヒーター

 暖房キノコの繁殖に拍車をかけたのは禁煙法だ。ドイツでは2007年から州ごとに法を定めて公共の場や飲食店内での喫煙禁止を導入してきた。バーやビアホールでもたばこが吸いたければ外に席を取らざるを得ない。それで冬場の客足を確保するために暖房キノコを導入する店が増えた。禁煙法はEU(欧州連合)全体で導入が進んでおり、フランスやスウェーデンなど他のEU諸国でもこうしたガスヒーターが増えている。

 しかし温暖化対策の観点から規制する都市も増えている。暖房キノコ1台が排出する二酸化炭素(CO2)は、年間最大4t(ガス式で週36時間使用の場合)にのぼるという。テュービンゲンやプフォルツハイムなどでは完全に追放した。しかしシュツットガルトのように逆の展開もある。すでに市街地では規制されていたが、禁煙法導入後に強い反発が起き、20時以降は使用していいことになった。スイスでは連邦議会にかけられたが国レベルでの規制には至らなかった。店外でたばこを吸わざるをえない喫煙者を肺炎から守るためには必要という声もあったというからあきれる。

 しかし、「喫煙者は外、嫌煙者は内」がいいアイデアなのかは疑問だ。喫煙者が外に追いやられていると感じている一方で、嫌煙者にはオープンカフェの外のベストな席を喫煙者が占有しているように見える。メインの部屋とは別に喫煙室を設置することは認められているが、それができない小さな店には外しか残されていない。禁煙法は各州で波紋を呼んでおり、いまだに嫌煙者と喫煙者の共存が議論されている。

行政とメーカーの攻防戦

 現在ベルリンでは気候保全法制定の動きがあり、その枠組みで州レベルでの暖房キノコの禁止が検討されている。しかし法案の調整に時間がかかり、思うように進んでいない。12のうちの5つの区は、しびれを切らして2009年から公道での暖房キノコ規制を独自に開始した。路上での営業には道路法の特別営業許可が適用されるが、暖房キノコは対象外とする。しかし地区ごとに取り締まりが異なるため、効果もばらばらだ。撤去が進んでいる地区もあるが、行政の通告を無視している地域もある。年中旅行者が絶えないため100ユーロ程度の罰金など痛くもかゆくもないようだ。2つの地区での規制を導入しているハンブルクでも同じことが言える。

 禁止から2年が経った現在も、一部のレストランやカフェではあいかわらず暖房キノコを使っている。なんと、よく見ると半数近くが電気式だ。暖房キノコは当初ガス式だったが、メーカーが「環境にやさしい電気式」を出し始めたのだ。現状で規制対象はガス式だけだからである。外壁に固定するタイプの赤外線暖房も登場している。路上に設置するわけではないので将来的にも道路法の規制対象にならないだろうと踏んでのことだ。暖房キノコの名づけ親でベルリンで販売・リース会社を営んでいるミヒャエル・シュルツ氏は規制対策に追われている。同社のWebには「ここはいつでも常夏さ!」のうたい文句が目につく。暖房キノコが1本売れるごとに、木を1本植樹するキャンペーンを開始したのは、規制への反発からとしか思えない。

ニーズを踏まえたサービスを

 飲食店の本音はどうなのだろう? ふたを開けてみれば規制を歓迎している飲食店も少なくない。暖房キノコの維持には当然コストがかかる上、安全管理も必要だ。お客が流れるのを恐れていただけで、近くに暖房キノコを使う店がなければあまり問題はないわけだ。お客の方も本当に外の暖房を必要としているのかは疑問だ。多方面で環境政策が導入されているお国柄、暖房キノコは結構目立つ存在だ。怪訝そうな顔でその脇を通りすぎるのは私だけではない。地元の人に愛される店になるには、もっと長期的な視点で見て別の面でサービスに力を入れるべきだろう。

法的規制か、自主協定か
 
暖房キノコの規制によって、ガスから非効率な電気の熱利用へ切り替わったのは悩ましいことだ。緑の党はこうした状況を受けて、「暖房キノコは毒キノコ」キャンペーンを開始した。ガスだろうが電気だろうが、固定式も可動式も、公道でも私有地でも、いかなる方法であれ外気を暖房するという愚かなこと自体を禁止せよという主張だ。ヒーターの種別で規制してもいたちごっこになるのは経験が証明しているからだ。州政府の気候保全法制定に時間がかかるなら現行のベルリン省エネ法を改正して規制するよう求めている。それができればいいとは思うが、ドイツ全体で暖房キノコが減るわけではない。

 ドイツ連邦環境庁も屋外での暖房使用自体を問題視して、環境負荷をわかりやすくパンフレットにまとめて配布しているが、連邦レベルでの規制に踏み込む様子は今のところない。EUレベルで暖房キノコを法的に規制することも考えられるが、大変な事務作業を伴うため、むしろミュンスターの自主協定のような自主的な放棄が望ましいとしている。

 ミュンスター市はホテル・飲食店組合と協力して、店ごとの自主的な取り組みを呼びかけている。ブランケットを無料配布し、暖房キノコ放棄宣言をしてもらうというものだ。約30店舗が参加しており、卓上にはシロクマの写真の宣言文が並ぶ。これは一人の市民の行動から始まった。映画館を営むトーマス・ベームさんが暖房キノコの設置を検討した際に、これがいかに環境負荷の高いものかを知り、市に暖房キノコの使用禁止を求めるべく住民提案(市議会が特定の事項を取り扱うことを請求する制度)を提出した。提案は退けられたものの、市は啓発キャンペーンを約束した。それが実ったかたちである。

 個人のベランダに暖房キノコを見かけたときにはぎょっとしたものだ。人間の飽くなき欲望のために非効率な方法でエネルギーを無駄にするのがいかに愚かか、それが人間としての自分の尊厳を傷つけるものだとは、外から言われてすぐに気づくことではない。温暖化対策といっても聞く耳は持たないだろう。ケルンでは景観を損ねるという理由から、ニュルンベルクでは店外に喫煙者がたむろするのを防ぐ騒音防止の観点から、暖房キノコが禁止されたそうだ。こうしたアプローチも悪くないのかもしれない。
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by yumikov | 2011-04-21 07:15 | 環境のこと

グローバルネット記事『クリスマスツリーの一生』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。1月号ではクリスマスツリーの一生というお話を書きました。クリスマスツリーを例に、木のことや家族と過ごす行事の意味など、皆さんと一緒に考えたいと思います。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』1月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
クリスマスツリーの一生
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 ドイツの新年の風物詩といえば、クリスマスツリーである。とはいっても飾ったツリーではなく、道端にごろんと転がっているツリーだ。ドイツでは生木を切ってツリーとして飾る習慣があり、毎年新しく木を購入する。クリスマスを過ぎてお役ご免になったツリーは、ベルリンでは年明けにベルリン都市清掃公社(BSR)が回収する。地区別に回収日が決められ、フリーペーパーなどで市民に告知される。ドイツではごみの回収は有料で剪定ごみも別にかかるが、ツリーの回収は無料である。クリスマスの雰囲気作りの主役ともいえるツリーが新年早々ごみのように出されているのを見ると、リサイクルされるとはいえ虚しさを覚える。BSR社によると、回収車約830台分のツリーが毎年回収されるという。

 ドイツ人にとってクリスマスは、家族で祝う1年で最も大切な行事である。子供のいる家庭にはツリーは欠かせない。プレゼントがツリーの根元に置かれるからだ。ツリーを置く習慣はいつ頃始まったのだろう。諸説あるようだが、ドイツではおおむね15世紀頃にさかのぼる。当初は貴重なモミを買えるのは裕福な家庭だけで、庶民へツリーが広まったのは19世紀後半のことだ。当時、森を所有していることが多かった教会の反対も、市民の習慣には勝てなかった。こうしてツリー栽培が始まった。


ツリーはどこからやってくる?

 クリスマスツリーは、現在ではドイツで毎年2,500万本が販売される大きな市場である。11月になると街のあちこちにツリーの臨時販売所が立ち並ぶ。数十cmのものから2m超のモミやトウヒ、マツがそろう。値段は15ユーロから、100ユーロを超えるものまである。現在ドイツで人気なのは葉先の丸いノルドマンモミだ。国産のものとしては香りの強いコロラドトウヒなどがある。
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 国内の産地としては、中西部の中級山岳地帯にあるザウアーラント地方やデンマークとの国境にあるシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州が主である。販売されるツリーの約10%は輸入で、その多くはデンマーク産だ。他にはオランダやポーランド、アイルランド、チェコから来る。ヨーロッパ全体では近年ツリー不足で、輸入ツリーの値段は上がっているという。東欧での需要が拡大したことや、過去に採算が合わずに商売をたたんだ生産者の影響が理由にあるようだ。お隣のオーストリアも同じような状況だが、ツリー生産者共同体は国産ツリーのPRを行っている。これが功を奏してか、市民は年々地元の木を選ぶようになってきているという。

 ドイツで売られるツリーの大半は森で育ったものではない。80%以上が高圧線やガスパイプラインの近くなどの特別用地などでプランテーション栽培される。ドイツでは1950年代にツリーの大規模なモノカルチャー栽培が始まった。これらは通常、殺虫剤や除草剤、無機肥料がたっぷりと施されている。均一に育ち、葉が濃い緑色になるようにだ。見た目よく育てるために遺伝子組み換えツリーも市場に登場する予定だという。


安全なツリー選びのポイント

 ドイツ自然保護連盟(NABU)は、認証を受けたツリーを購入するよう消費者に勧めている。お勧めは、bio、Naturland、FSC(森林管理協議会)の三つだ。bioは食品にも使われるEU共通の有機認証で、園芸センターでも目にする。Naturlandは三つの環境団体(ドイツ環境自然保護連盟BUND、グリーンピース、Robin Wood)による森林認証で、環境の視点からはFSCより厳格である。FSCは、持続可能性の視点から社会面・経済面も考慮した森林認証だ。NABUは、認証なしの木を買うのであれば、せめて地元の木、できれば間伐材を購入して欲しいと呼びかけている。Robin Woodでは、環境にやさしいツリー販売所を具体的に紹介している。このリストによれば、ドイツ各地の約40ヵ所で認証ツリーが購入できる。中には自分で切らせてくれる営林所もあり、それもまたいい記念になりそうだ。ベルリンでは、テーゲルやグルーネヴァルトの森にある森林局などでFSCとNaturlandの認証を受けたマツが買える。一方、近所の臨時販売所でも昨冬FSC認証の木を10本仕入れたのだが、まったく売れなかったという。そのため今年は置いていない。オーストリアのように地元ブランドや認証のPRがもっと必要なようだ。


バイオマス燃料と飼料に生まれ変わる

 ところで、BSR社によって回収されたツリーは、2009年からは電力会社Vattenfall社との協働によってリサイクルされている。年間約40万本が木片チップへ粉砕され、市内の二つの発電所へと運ばれる。これがコジェネレーションシステムで燃料として活用され、電気と熱を生み出している。ツリーから生まれる木片チップの量は年間2,700tで、褐炭2,000tの替わりとなり、3,000tの二酸化炭素(CO2)排出抑制効果と算出されている。このようなツリーの燃料としての利用はベルリン以外の自治体でも行われている。
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Vattenfallヨーロッパ・ベルリン支社代表クラウス・ピチュケ氏(左)、ベルリン都市清掃公社の代表ヴェラ・ゲーデ=ブッツラフ氏(右)と同社従業員たち


 また、売れ残ったツリーを動物園に運んで飼料にする取り組みは20年以上前から行われている。ゾウやアルパカ、クマ、ラクダ、シカなどが好んで食べる。葉の部分にある精油が消化を助けるという。

 木片チップも飼料も、有効利用という意味ではいいかもしれない。しかし、ツリーの回収にもエネルギーが使われるわけで、幼木が大量消費されることにも変わりはない。種子がまかれて2mになるまでには、樹種によって8〜12年かかるという。飾る期間は宗派や習慣によって異なるが、せいぜい2ヵ月だ。何年もの歳月をかけてようやく育ってきた木を、その2ヵ月のために一斉に切り倒す。根のついたツリーも一部売られているが、結局長持ちしない。鉢に入れて家の中の暖かい場所に置いた後にまた寒空の庭に植え替えても、もう木は生命力を取り戻すことはできない。

 Robin Woodはツリーを置かないというオルタナティブも提案している。ツリーが広まるずっと以前から、陽の差さない冬場に常緑の植物で部屋を飾って健康を願う習慣はドイツにあった。しかしそれは自然の宿す生命力をおすそ分けしてもらうという意味ではなかったか。折れた枝など身近にあるものを使って、松かさや鮮やかな木の実で飾りつけても素朴な美しさがある。家族の木をどこかに植えて毎年会いに行くなんていうのはどうだろう。ドイツでは新年ではなくクリスマスが1年で最も静粛で、自己や世界を見つめなおすときだ。その機会に子供と一緒にツリーについて根本から見なおしてみるのもいいかもしれない。


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週末をドイツのファミリーと過ごしてベルリンに戻ると、道端に転がっていたツリーがすっかり片づいていました。大晦日の花火の残骸に、犬の糞、すべり止め用の砂、1月あたまのドイツの路上はほんとうに目もあてられないひどい有様です。BSR社さん、ご苦労さまです。
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by yumikov | 2011-01-27 17:10 | 環境のこと

グローバルネット記事『「反原発」から「脱原発」運動へ』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。11月号ではドイツで今一番気になる話題、原子力発電所の稼働期間延長にクローズアップして、新しい市民運動のかたちを取り上げました。

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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』11月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
「反原発」から「脱原発」運動へ
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー

 脱原発を掲げてから10年、ついにドイツ政府は現存する17の原子力発電所の閉鎖を先延ばしすることにした。これまで原子力法等の改正により新設禁止や稼働年数制限などを定めて、段階的に原発を閉鎖してきた。それが9月の決定により各原子炉は平均12年の稼働延長となり、ドイツから原発が消えるのは早くとも2036年になる。決定から2ヵ月経った今も、政府と企業との密約スキャンダル、国内での法改正プロセスやEU(欧州連合)内での手続き問題など、関連の報道で目まぐるしい。再生可能エネルギー推進のための負担増を理由に来年の電気料金の大幅値上げも発表された。

 ところで今回の決定はあくまでも脱原発のタイミングを先送りするもので、ドイツの政治には原発推進の議論は起きていない。世論が脱原発を示しているからだ。延長が具体的に議論され始めた昨年からは市民の抗議活動も活発になり、4月や9月のデモにはそれぞれ10万人が駆けつけた。「原子力ルネサンス」ならぬ「反原発運動ルネサンス」(1980年代ドイツの反原発運動の再来)と報じられるほどだ。稼働延長決定後の世論調査では、メルケル政権の支持率はかつてないほど落ち込み、緑の党は過去最高まで躍進している。


グリーン電力を買うことで原発をボイコット

 しかし、市民運動も変化してきている。1986年のチェルノブイリの事故の後のこと。ドイツの小さな町シェーナウでは、原発のない未来を目指す市民グループが誕生し、最終的には電力網を買い取り、原子力ゼロの電力を町に供給することに成功した。EU指令により全面的に電力自由化された1998年からは、ドイツでは個人も電気の購入先を自由に選べるようになった。シェーナウの市民のようにもう闘わなくてもいいのだ。

 電力供給専門業社、地方自治体の電力公社、グリーン電力専門会社など、現在参入している電力供給者は900社以上。9,000もの電力料金体系がある。しかし実際はRWE、E.ON、Vattenfall、EnBWの四大コンツェルンが独占している状態だ。原子力と石炭火力発電が事業の柱を成す4社の発電量と供給量のシェアは実質8割にも上る。グリーン電力を選ぶ消費者も増えつつあるが、まだ1割にも満たない。そこで21の環境団体が結集し、4年前から「誰にでもできる脱原発」キャンペーンを行っている。原発や石炭火力発電から完全に切り離されたグリーン電力へ乗り替えてもらうのが目的だ。お勧めの供給者をピックアップしてPRしている。
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政治的な態度と消費行動の矛盾

 9月の10万人デモの後には「反原発を叫ぶ人の多くもまだ原発による電力を買っている」といった報道がされた。ドイツの発電における再生可能エネルギーのシェアは約6分の1。だがドイツにある4,000万世帯のうち、キャンペーン推奨のグリーン電力を購入しているのは80〜90万世帯。そのほかのグリーン電力を購入しているのが100〜200万世帯。もっと伸びてもいいはずだ。

 キャンペーナーのフローリアン・ノートー氏は「みんなグリーン電力にも替えない代わりにもっと安い契約にも替えない。難しく考え過ぎている」と言う。ドイツの電気料金は欧州でも最高値に近く、年々上昇している。確かに人びとがより安い電力へと流れないのも不思議だ。これまで小売りで50%、産業界では100%契約を変更したのに対し、個人は25%だという。

 一つには「グリーン電力=高い」という誤解がある。実際は、使用状況に合わせて選べば、お得になることさえある。簡単に試算できるwebもあるが、調べもせずに高いと考える人は少なくない。安定供給に対する不安も根強い。再生可能エネルギーだけでは供給が不安定になるのでは? 風のない日や雨の日は停電が起きるのでは? どんな契約でもコンセントから流れてくるのは同じ電気ということは案外理解されていない。保険や税金申告はどうなるのか? メーターも替えないといけないのでは? 小さな不安も腰を重くするのに足りる。実際の手続きは契約書に記入して送付するだけ。検針メーター番号と大まかな消費量がわかれば10分で完了する。

エコ電力は「ほんとにエコ?」

 グリーン電力はドイツでは「エコ電力」と呼ばれる。法的な定義がないため、さまざまなエネルギーミックスと質の電力が「エコ」「クリーン」といううたい文句で売り出されている。グリーン電力の認証制度もあるが、新しい発電所からの電力割合が高いことや、再生可能エネルギーへ投資していることなど、基準もまちまちだ。原子力や火力発電由来の電力をグリーン電力と交換する証書システムもあり、基準を知らないと望んだものとは程遠くなってしまう。コストから認証取得を諦める小規模事業者もある。こうした事情も消費者に判断を難しくさせてしまう。

 キャンペーンで勧めているのはGreenpeace Energy、EWS、Naturstrom、Lichtblickの4社だ。基準は、1. 原子力とは無縁 2. エネルギーミックスの少なくとも50%は再生可能エネルギー 3. コジェネレーションの割合は最大50%まで 4. ドイツ全域に供給できるーーことだ。PRしてもらえる企業にとってはありがたい話だが、キャンペーンはいかなる企業からも資金援助を一切受けていない。「電力公社の多くは再生可能エネルギーに移行しようと計画し資金も準備している。それをサポートすることも大切だが、原発がある限り投資は進まない。そのためキャンペーンでは、お金の流れを原子力産業ではなく、再生可能エネルギーに向けることを優先課題にしている」とノートー氏。

 キャンペーンのリーフレットは今年だけでも15万部が配られた。親を説得するために注文する子供もいるという。原発の稼働期間延長の発表後は、注文は増えているそうだ。キャンペーンはまだ続く。


エネルギーを選べる時代が来ている

 わが家はグリーン電力最大手のLichtblickと契約していたが、基本料の安いEWSに乗り替えた。従量課金の割合が高ければさらに省エネする気が起きる上、EWS社は再生可能エネルギーへの投資方法も透明性が高く、自分のお金が未来をつくっている実感がある。これからはグリーン電力同士を比較、検討して選ぶ時代だ。

 最後にノートー氏に、個人が電力を選べない日本のような国では何ができるかと尋ねてみた。「まずは個人も電気を選べるよう自由化の拡大を求めること。シェーナウ市民のように電力網を買い取ること。この二つは難しいけれど、自宅の屋根に太陽光パネルを設置するのは個人でもできる。資金的に難しければ市民発電所に出資するのもいい。学校などの屋根に太陽光パネルを共同で設置してはどうかな? 一番簡単なのは省エネすること。シェーナウの取り組みも省エネから始まった。誰でもできる。お金も節約できる。」


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政府の法改正案の議会への提出が明日26日に控えています。これを通過すれば脱原発の先送りは本決まりですが、それには大統領の署名が必要です。市民団体は反対署名を10万筆以上集めて大統領に先週手渡しました。署名は現在12万筆以上になっています。過去に大統領が政府案に署名をしなかったのは一度きりだそうです。はたしてヴルフ大統領は署名してしまうのでしょうか?
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by yumikov | 2010-11-25 17:16 | 環境のこと

グローバルネット記事「ドイツ流休暇」とエコキャンピング

f0157115_17245015.gif月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。9月号ではドイツ流の休暇の過ごし方&エコキャンピングを紹介しています。

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以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』9月号より転載)

ドイツ語で休暇はウアラウプと言うが、この言葉は不思議な威力を持つ。「担当者はウアラウプ中」と言われてしまえばドイツではもうあきらめるしか仕方がない。代理への引き継ぎもなく、担当者の休暇明けまで(しかも数週間も!)待たされるのはザラである。休暇がそれだけ国民の権利として浸透しているとも受けとれる。世界で最も海外旅行をする国民として首位に立つドイツ人。人気があるのは、マヨルカ島、トルコ、カナリア諸島、クレタ島、エジプト、イタリアなどの地中海沿岸やアルプス。一つの場所にとどまってゆっくり休暇を過ごすのがドイツ人の典型的なスタイル。

ハイキング&湖水浴&サイクリングが人気

 ドイツ人が休暇を過ごすのは海外ばかりではない。オランダ国境にある北海沿岸のフリースラントやバルト海などのビーチ、そして自然豊かなニーダーバイエルン地方でのスパなども人気だ。リゾートは根強い人気だが、1980年代以降、ツーリズムもサステナブルな方向へと向かっている。持続可能な旅行商品の認証マークや、自然公園の「自然を活用することで守る」取り組み、フライト利用での二酸化炭素(CO2)を寄付でオフセットする制度などいろいろあるが、今回紹介するのはエコキャンプ場だ。

 国内旅行の総宿泊数が変わらないなか、農家民宿や休暇用貸し住居、キャンプ、ユースホステル利用が近年見直されている。キャンプ場の利用者数は2009年の統計で9%もアップした。私たち家族も先日シュラウベタール自然公園までサイクリングし、湖畔(写真)でキャンプしたのだが、キャンプ場の設備やサービスは意外にとても充実していた。ドイツではキャンピングカーやトレーラーハウスなどでのオートキャンプが主流と聞いていたのだが、最低限の装備でも快適に過ごすことができた。トイレやシャワーなど清潔な衛生設備(写真)に、電気コンロや大きなシンクのあるキッチン、売店にレストラン。下手なホテルよりよっぽど快適だ。また、感心したのが水道のハイテクデポジットシステムだ。飲料水は水飲み場で汲めるが、シャワーやキッチンなど下水料金が発生するものは有料で、使った分だけ支払う。前金として5ユーロ払い、IDカードを受け取る。カードがないと水は出ない。使用分が利用時に見えるシステムは節水に有効だ。設備がバリアフリーなのはもちろん、おむつ替えスペースやベビーバス付きのファミリールームまである。自然環境にとけ込んだ遊具(写真)があり、レンタサイクルもある。子供もお年寄りも、赤ちゃん連れもハンディキャップを抱える人も、本格的にも気軽にも、車で来ても自転車でも、誰でもキャンプを楽しめるようにという配慮が随所でみられた。
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キャンプ場の環境マネジメント

 このキャンプ場ではエコキャンピングマネジメントを導入している。欧州の環境管理・環境監査スキームEMASに準拠してキャンプ部門のために開発されたもので、EUエコラベルの基準も取り入れている。これまでドイツ、オーストリア、イタリア、スイスの計250以上のキャンプ場がECOCAMPING e.V.という団体から認定を受けている。ドイツでは1割近くがエコキャンプ場になっている。日本でも環境配慮型のキャンプ場はあるが、外部監査が入って認定を受けたり、明確な基準を公表したりしているところは見当たらない。

 マネジメント導入に当たっては、過去3年間の資源・水消費およびごみの排出量から、CO2排出量を割り出し、3年分の対策プランを練る。キャンプ場は団体から専門的なアドバイスを受けられる。現地訪問や環境マネジメントに関するワークショップ、経営者および従業員向けの講習などもある。建物の新改築に当たっては、省資源や資源効率に配慮し、その土地に適した植生を用い生物多様性を守る近自然的な場づくりをすることなどがポイントとなる。

 新しくキャンプ場を作る際には立地分析を行い、客層やインフラ、リスクなどを分析把握し、交通網との接続や、競合の有無、環境負荷とそれをいかに相殺できるか、どのようなレクリエーション設備が必要か、どんな自然体験プログラムが提供できるかなどを考える。
テーマ別セミナーで取り上げるテーマは環境から安全性、運営まで多岐に渡る。環境に関するものでは、木材ペレットや太陽熱・地熱・コジェネレーション等による温水供給や暖房、ソーラーパネル設置、建物の断熱・換気技術、省エネ意識喚起、廃棄物の発生抑制と分別徹底のアイデア、節水技術、雨水利用、安全な清掃用洗剤と従業員訓練、舗装しない道づくり、近自然的な遊具、自然体験プログラムなどがある。マネジメントは覆面調査や利用者アンケートによってもチェックされる。

 このようにエコキャンピングマネジメントの導入は、キャンプ場側には、顧客満足の向上、エネルギー・水・廃棄物のコスト削減、運営組織の改善、作業の安全性や健康保護の効率化、広報活動による国内外の市場開拓、新規顧客獲得と常連客の定着というメリットがある。また、キャンパーへ土地の自然や生物多様性、文化を体験的に伝えることでもあり、経営者そしてスタッフの環境意識を高めることでもある。ECOCAMPING e.V.の取り組みは、国連ESD(持続可能な開発のための教育)の10年のドイツオフィシャルプロジェクトにもなっている。自治体への働きかけも功を奏して、各州環境省の助成を受けた企業との協働プロジェクトなども次々と進んでいる。こうしてリューゲン島やバルト海沿岸、オーストリア・スイス国境のボーデン湖周辺、南西の黒い森地方などでエコキャンプ場が増えている。

移動は短く、気は長く

 旅好きのドイツ人。もっと国内旅行にシフトすればどれほどの経済効果になるだろうか。ドイツ人の休暇の過ごし方は素朴で質素だが、休暇の長さを考えれば影響力は計りしれない。それになんといっても交通手段の環境負荷は大きい。車社会ドイツも健在だが、格安航空会社の台頭で、長距離列車が通る場所へも人びとは気軽に飛ぶようになった。もっと移動距離を短くして列車に乗れば、車窓を眺めながらビールでも飲んで、家族や友人と普段できない話ができるかもしれない。整備されたサイクリングロードや自転車持ち込み可能な電車などの恵まれた制度は、どこの国にでもあるわけではない。活用しない手はないのだ。

 さて、私も電車に揺られて、この夏最後のウアラウプに出かけるとしよう。
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休暇の過ごし方なんていうのはもちろん人それぞれです。フライトとホテル(食事付き)パッケージツアーに半年も前から申し込んでマヨルカ島のビーチでなんの心配もなしに10日間という人もいれば、バックパック抱えてネパールへひとり旅という人もいるし、家族でユースホステル泊もあれば、トレーラーハウスを牽引して気ままな国内旅行をする老夫婦、女友だちだけでスパでラグジュアリーマッサージも。

休暇になにをするかはともかく、日本と比べて大きく違うのは休暇がかなり市民権を得ているということ。それでもこのあいだ新聞で、休暇の申請を前もってしない人が多くて職場で影響が出て困るというような記事を読みました。法律上、「○○日前までに申請すること」というような社則を作れないようです。

字数の関係上書けなかった部分として、ドイツ人ツーリストの負の影響というのがあります。

たとえば、ドイツ人のこれまでの休暇の典型は「ビーチで横たわる」というものでした。陽の当たる季節の少ないドイツでは、陽のさんさんと射す南国は憧れの地。スペインのマヨルカ島はその代表ですが、そこではなんでもドイツ語で事足りるそう。ドイツ人にとってのハワイと言ってよいでしょう。そこでホテル客が消費する水の量たるや、なんとドイツ人の自国での消費の5倍だそう。気候が違うのでしかたがないかもしれませんが、旅の恥は云々ではないですが自分で払わないでいいなら気が済むまでシャワーを浴びちゃおうという人はどうしてもいるでしょう。

また地中海岸ではこれまで約1万2千の生物種が確認されていますが、その多様性がどんどん失われているそうです。ビーチ開発のためにセイヨウモンクアザラシなどの土地の希少動物が脅かされています。また、33種あった海鳥の9種が姿を消し、500種の植物種が絶滅の危機にさらされているそうです。日本でもこのようなことはありますがそれらは海外からの旅行者のためでしょうか?でも地中海リゾートへ一番多く詰めつめかけているのはドイツ人です。

夏は登山、冬はスキーとドイツ人が詰めかけるアルプスでは、道路や駐車場、別荘などのインフラのために埋め立てられ、自然が切り刻まれた。需要に対応しようと追加で滑走路をつくるために傾斜地が伐採され土壌の侵食を引き起こしています。

旅のスタイルも多様化しているこのご時世、皆さんはどんな旅を選びますか?
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by yumikov | 2010-09-29 17:18 | 環境のこと

グローバルネット記事「旧東ドイツに端を発する環境市民運動」

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。7月号では旧東ドイツの環境市民運動をご紹介しています。

ひとくちにドイツと言っても、社会の抱える問題は地域によってさまざま。分断されていた時代の影響は、統一後20年たっても消えるどころかよりはっきりと浮き上がってきているのかもしれません。今回は統一までの旧東ドイツの環境運動の流れを振りかえりながら、旧東ドイツ地域をエコロジー面から元気にしようとがんばっているネットワークにクローズアップしました。
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以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』7月号より転載)

「旧東ドイツに端を発する環境市民運動」

 毎年6月ベルリンでは環境フェスティバルが開かれる。環境がテーマのお祭りとしてはヨーロッパ最大規模を誇り200以上の出展者が集まって多彩なイベントを行う。第15回目の今年は2日間に日程が増え、連邦環境省(BMU)と連邦環境庁(UBA)から助成を受けるまでに発展した。参加者数は13万人、サイドイベントの自転車デモへは20万人が参加したという。テーマは国際生物多様性年にちなんで「いのちは多様!」だった。主催しているのはグリューネ・リーガというエコロジー運動ネットワークである。


旧東ドイツ地域に根差す環境ネットワーク

 直訳すると「緑の連盟」という団体名は、緑からくる「自然」や「希望」のイメージと、「チームによる協働」というこの団体の特徴を表している。ドイツの環境団体といえばドイツ環境自然保護連盟(BUND)が各地に地域グループを抱える大手だが、グリューネ・リーガは旧東ドイツの環境運動の流れをくむ最大の環境ネットワークで、ベルリン、ライプチヒ、ドレスデン、ポツダム、イェナなど旧東ドイツ側12地域にメンバー団体や地域支部がある。

 交通、持続可能な地域開発、水、褐炭、自然保護、エネルギー、農業、遺伝子組み換え作物、エコツーリズムなど活動分野は幅広い。ベルリンでは、校庭の緑化、エコマーケットの運営、環境フェスティバル開催、環境情報紙の発行、水の民営化問題などに取り組んでいる。環境図書館の運営も行っており2,200点以上を所蔵し貸し出している。「ヴィジョンを持ち、ネットワークをつくり、行動を奮い起こす」をモットーとするグリューネ・リーガの活動を支えているのはアクティブな会員である。


東ドイツにおける環境問題

 つい忘れがちだが20年前までドイツそしてベルリンは東西に分断されていた。ドイツの環境保護の歴史を振り返れば1970年代の反原発運動や黒い森の保護運動が登場するが、それらは西ドイツのことであり、東ドイツはまた異なる状況下にあった。

 例えば東ドイツでは火力発電や化学産業の原料として環境負荷の高い褐炭が利用され、排出される二酸化硫黄によりひどい大気汚染が引き起こされていた。また老朽化した工業設備からは有害物質が河川へ垂れ流された。汚染廃棄物の処理問題もあれば、西ドイツからの廃棄物の輸入、ごみ焼却も問題だった。しかし一番大きな問題はこれら環境に関する情報が市民に閉ざされていたということである。経済成長に躍起になっていた東ドイツ政府にとって環境問題は国家機密、エコロジーはタブーであり、市民は西ドイツのメディア経由でのみ、こうした事実を知ることができた。こうした中、東ドイツ独自の環境運動が展開されたのも当然のことだろう。


「環境図書館」での秘密活動

 言論の自由もなく、政府にとって目障りな思想は排除、発行物は発禁処分という状況で、環境・平和活動を中心となって助けたのが教会だった。ベルリンの旧東側ミッテ地区にシオン教会という豪奢な教会がある。教会前には有機農産物の市が毎週たち、買い物客でにぎわう。さかのぼること20年。この教会から10mほど先の教区会館の地下に環境図書館が存在していたという。

 1986年9月のこと。当時の牧師ハンス・シモン氏が環境・平和運動を行う反体制グループに協力して教区会館の地下2室を活動のために提供した。図書館のほとんどが環境・人権問題の本や雑誌で、国家が発禁処分としていたものだった。そこは印刷所も兼ね、東ドイツ崩壊に至るまで反体制勢力唯一の雑誌を発行し続けた。

 1987年11月24日の晩、図書館に事件が起きた。国家秘密警察シュタージの襲撃が入り、環境図書館のメンバーの何人かが拘留され、印刷機も押収された。当時はシュタージの非公式協力員が職場や家庭などいたるところに存在し相互監視が行われていた。これに対し、教会組織を始め、ペトラ・ケリーやゲルト・バスティアンなど西ドイツの緑の党党員からも東ドイツの指導者ホーネッカー宛に抗議文が出されメンバーは無罪とされた。この人びとの連携した反対運動は西側のメディアでも伝えられ、かえってドイツ全体にこうした活動の存在を知らしめることとなった。ベルリンに続けと、その後、グライフスヴァルト、シュトラールズント、ドレスデン、イェナ、ハレなど各地で環境図書館が設立され、東ドイツ社会に大きなうねりを生み出した。

 その後、ベルリンの環境図書館のメンバーは政党を目指すグループとネットワークを目指すグループとに分かれてゆき、壁崩壊後に環境図書館はその存在意義を失った。解体後の蔵書は今のグリューネ・リーガの環境図書館に所蔵されている。


旧東ドイツ地域のこれから

 グリューネ・リーガは壁崩壊直後の1989年11月に設立された。創設者の一人であり現在は代表理事のクラウス・シュリューター氏は、「統一後には東ドイツにはなかった新たな問題が浮上した」と言う。

 シュリューター氏はロストック近郊のバルト海沿いの保養地バード・ドーベランの農家で育ち、自然保護や都市生態学に携わるようになった。環境図書館のグループで中心的に活動し、グリューネ・リーガを設立した後は、民主化の流れに乗って人民議会から無任所大臣に任命され、ドイツ統一間際のまさにすべりこみで東ドイツ初の国立公園を実現させた人でもある。

 「排ガス規制、河川の保全、環境情報へのアクセスの面では東ドイツ当時の目標を達成した」と言う。シュリューター氏が最も問題視しているのは、大量消費社会への移行、そして車の交通量の爆発的増加である。東ドイツでは自家用車を手に入れるまでは7年も8年も待機しなければならず「1家に1台が当たり前」という世界ではなかった。西の交通量を実際に目にして驚いたという。遺伝子組み換え作物や原子力発電所(旧東ドイツ地域ではすでにすべて閉鎖)などの新たな問題、さらにはグローバルに複雑に絡み合った問題に直面することにもなった。

 環境問題に限らず統一後の社会の変化は大きい。東西経済格差や西側への深刻な人口流出の問題を抱えながら、ドイツは持続可能な未来をこの先どのように描いてゆくのだろうか。社会の変革を促し、その変化に対応してきたグリューネ・リーガのようなネットワークの存在が注目される。

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by yumikov | 2010-07-26 19:36 | 環境のこと

グローバルネット記事「環境ゾーンの命運やいかに、ドイツの排ガス規制」

地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』で5月から始まった連載の記事をブログにもアップさせていただけることとなりました。転載をご快諾いただきました地球・人間環境フォーラムさま、ありがとうございます。ブログでは補足情報やリンクなどもご紹介しようと思います。

第1弾はブログでも何度かご紹介した環境ゾーンについてです。
少々長いですがご一読いただけると幸いです。

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以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』5月号より加筆修正のうえ転載)

「環境ゾーンの命運やいかに、ドイツの排ガス規制」

 ベルリンのフリードリヒスハイン地区はDDR時代の東ベルリンに位置し、大通りには西ベルリンに権威を示すべく、厳つく仰々しく建てられたロシア風建築が立ち並ぶ。片側3車線の通りも少なくない。その多くは並木道であるが、オープンカフェにいても道路交通の騒々しさや、排ガスの匂いに辟易することがある。


環境にやさしい?ディーゼル乗用車

 ドイツでは100人のうち61人が車を日常の移動手段として利用し(ドイツ連邦統計局)、車の交通量は1960年の4倍以上に増えたという(グリーンピースドイツ)。注目すべきは、1980年には新車登録乗用車のうちわずか2%だったディーゼル車が、2007年には47%にも到達したということだ(ドイツ連邦自動車局(KBA))。以降、軽油価格の高騰の影響もあり、2009年には30%に落ち着いているが、日本と比べてドイツではディーゼル車の割合は多い。これは西欧全般に言えることで、ベルギー、フランス、ルクセンブルク、ノルウェーでは2008年のディーゼル車の新車登録台数のシェアは70%を超えている(ドイツ自動車工業会(VDA))。

 「うるさい、臭い、トラック」というイメージがつきまとうディーゼル車だが、燃費がよいためヨーロッパでは乗用車としてのシェアを拡大してきた。90年代後半にクリーンディーゼルが開発されてからは性能も向上し、加速度的に増えた。CO2の排出が少ない=環境にやさしいといった理由でディーゼル車を選ぶ人もいるという。


EUの基準に合わせ環境ゾーン導入

 確かにガソリン車と比べてCO2の排出が少ないディーゼル車だが、粒子状物質や窒素酸化物(NOx)の排出量は逆に多く、大気汚染が心配されている。

 その対策として、2008年1月1日にベルリン、ハノーファー、ケルンで環境ゾーンが導入された。乗用車であれトラックやバス、タクシーであれ、一定の排ガス基準を満たさない車は、中心部の環境ゾーン内へ乗り入れることができない。ディーゼル車の多くがこの規制に合わせて対応を求められることとなった。

 EUでは統一の排ガスの基準を設けており、90年代にEuro1から段階的に規制を強化してきた。環境ゾーンでは、浮遊粒子状物質PM10の排出のレベルをEU基準に基づいて3段階に分類し、それぞれ赤(Euro2)、黄(Euro3)、緑のステッカー(Euro4、Euro5)で識別する。環境ゾーン内は有効なステッカーのみが通行でき、違反した場合には40ユーロの罰金が徴収され、1点減点を受ける。これまでにドイツ41都市で環境ゾーンが導入されている(2010年4月現在)。


粒子状物質による健康被害

 環境ゾーンの規制の中心となるのは、PM10と呼ばれる粒子状物質である。粒子状物質はその粒径から分類されるが、PM10とは、大気中に浮遊する粒子状物質のうち、基本的に粒径が10ミクロメートル以下のものをさす。PM10の一日の濃度が50μg/m3(マイクログラム/m3)を越える日が年間35日以下であること、年間平均値が40μg/m3を超えないこと、というのがEUの規定である。

 この粒子状物質は、ぜんそくや肺炎、ひいては肺がんなどの病気を引き起こすことが明かになって以来、注目を浴びている。非常に小さな物質で、肺の奥の肺胞に侵入すれば、心臓や循環器・呼吸器系の病気の原因ともなる。

 ディーゼル車から排出されるすすの粒子は特に微小で、短長期的な健康被害に影響しており、連邦政府の環境問題諮問委員会も、大気汚染の最重要問題として2002年に所見を述べている。WHOは、ディーゼル車からの排出を含む浮遊粒子状物質によるドイツ国内での死亡件数が、年間7万5千件であると予測している。排気ガスは地上から約150センチメートルまでに集中するため、特に子供は被害を受けやすい。それを意識せずとも、実際に体感する空気の状態は、ここで子育てをすることに不安がつきまとうほどだ。


フィルターの追加装備に補助金

 では、ディーゼル車は環境ゾーンを走れないかというとそうではない。DPFというフィルターを追加装備すればよいのだ。

 ドイツ連邦政府は、ディーゼル乗用車のフィルター追加装備に対して補助金を出している。金額は330ユーロで、3分の1から半額の費用を国が負担してくれることに相当する。2009年の始めからの半年の間で、毎月6000台にフィルターが追加装備されたという。補助金は2009年末までであったが、ドイツ政府はこの補助金を2010年も継続し、対象を商用車へと広げることを発表した。(ドイツ連邦環境省(BMU))


ベルリンの実状

 では、ベルリンの状況はどうだろう。ベルリンでは2010年からは第2段階へ移行し、ゾーン内は緑のステッカーのみが走行している。この段階を導入しているのはベルリンとハノーファーのみである。

 ベルリンの環境ゾーンは、市内をぐるりと囲む環状線の線路の内側に設定されている。その範囲は約88 km²である(東京の山手線は65 km²)。ベルリンの人口は340万人だが、そのうち100万人がこの範囲内で暮らしている。

 ベルリンの主要道路では、浮遊粒子状物質(PM10)と二酸化窒素(NO2)のいずれもが、過去数年間、EUの上限値を上回っていた。そのため、他の都市に先駆けて環境ゾーンを導入することとなった。

 導入当初は、規制対象になるのは範囲内の住民が所有する120万台の7%、計8万4千台ということで期待は薄かった。ベルリンでは他の州に先駆けて1996年に市内バスにフィルターを装備してもいる。導入して1年後の州政府の発表によると、環境ゾーンの第一段階の成果は、2007年比でディーゼルのすすの排出が28%、NOxの排出が18%の減少だという。PM10については、EU規定を超えた日が環境ゾーンを導入しなかった場合と比べて4日間少ない計算となる。


対応の遅れと問われる有効性

 この結果にも関わらず、環境ゾーンに対する批判は続いている。
 規制が厳しくなる年の瀬にはちょっとした騒動があった。赤ステッカーはもうゾーン内を走行できないが、黄色のステッカーの車はフィルターを追加装備すれば緑に代えられる。だが、製造が追いつかず、数千台の車がフィルター待ちの状態となった。メルセデス・ベンツスプリンターやアウディ、BMWなどのいくつかの車種では、数ヶ月も在庫切れが続いた。環境ゾーンを段階的に導入する理由のひとつに技術的な対応の問題があったが、それでもメーカーは対処できていない。結局、ベルリン政府は11月の半ばに特例措置を発表し、フィルターを既に注文したことを証明すれば、装着までの期間は黄ステッカーで環境ゾーン内を走行できることとした。ベルリンの車15000台とブランデンブルク州からの車6000台が対象となったが、特例措置の申請を処理する行政手続きも遅れ、路上で監視する行政担当者や警察の対応についても問題が指摘された。

 環境ゾーンの有効性自体も問われている。
 浮遊粒子状物質の排出源は、人為的なものは10%程度で、残る90%は土や耕地から風で運ばれてくる粉塵や花粉に起因していると研究がある。人為的と言っても、道路交通が中心というわけでもなく、産業や暖炉やストーブなど家庭の暖房に起因するところも大きい。環境ゾーンの導入にも関わらず各所で上限値をしばしば超え、批判的な報道が続いている。
3月にベルリン州政府が発表したところによれば、PM10に関するEUの年間上限値を3月で既に超えたという。EUの大気質指令では、規定濃度を越える日は年間35日までとしているが、3月の時点でマリーエンドルファーダムの測定所では既に35日を超え、フリードリヒスハインやシュテークリッツ、ノイケルンでも、既に30日以上上限値を超えたという。

 これに対して全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は、会員数名で再度訴訟を起す構えだ。ADACは、日本自動車連盟(JAF)に相当する機関で、環境ゾーンは粒子状物質対策として無効であると主張し、12月に敗訴したばかりだ。

 一方、ベルリン州政府のカトリン・ロンプシャー健康・環境・消費者保護相は、有効性を疑わない。同省の報道官ディットマー氏は、考えられる要因として、まずこの冬の大寒波をあげている。東ヨーロッパからの気流が都心部に追加的に粒子状物質を運び、逆転層が生じたために対流が起らず、粒子状物質が取り除かれなかったという説である。第2の理由として、この冬に撒かれた記録的な量のすべり止め剤があげられる。異常な降雪に除雪作業が滞ったのは記憶に新しい。凍結した路面には砂利をすべり止め剤として用いるが、この冬ベルリン都市清掃公社や市民が撒いた量は3万5千トンにのぼるという。その砂利がタイヤにすり砕かれ、粉塵となって大気中にまき散らされたというのだ。冬の長いスウェーデンのストックホルムでは、同じ問題から100日は上限値を超えているという。


自治体ごとに異なる対応

 話をドイツ全体に戻すが、PM10はドイツ国内400箇所で測定されている。環境ゾーンの導入は地方自治体が管轄しており、規制の段階的な導入や特例措置など各都市で対応が異なる。

 ミュンヘン市では当初2010年からは緑のステッカーのみが走行できる予定だったが、赤のステッカーに対しても特例措置を出している。これに対し連邦環境庁(UBA)長官のヨッヘン・フラスバート氏は「ベルリンなどの大都市では、粒子状物質排出の約5割が交通に起因する。多くの環境ゾーンで拘束力を持って緑のステッカーの走行のみを許可すべきである。」と批判している。

 アーヘン市はEUの上限値を超えているが、環境ゾーンは導入しないと宣言して波紋を呼んでいる。「環境ゾーンは、手間やコストと比べて効果が低すぎる。ケルン、ハノーファー、シュトゥットガルトなどでは実際に粒子状物質が減っていない。道路交通量自体を減らすべきであり、そのために公共交通を充実させる必要がある。」同市環境担当のクラウス・マイナース氏は言う。トラックや市内バスを最新のEU基準に合ったものに代え、自転車道を隈なく整備し、ジョブ・チケット(通勤者向け割引定期券)の活用を増やすなど、環境ゾーンに代わり33の対策を準備しているという。


強化されるEUの排ガス規定

 前述のように欧州ではディーゼル車の普及率が高いこともあり、日本やアメリカに追随するかたちで規制を厳しくしてきたが、EUの排ガス基準Euro5のPM基準は、日本の新ポスト長期規制と同様の厳格な値である。しかし、2007年にはEU27カ国中ドイツを含む24カ国がPM10の上限値を越え、欧州委員会に対して達成期限の延長を求めなければならない状況である。EUでは、PM10よりもさらに微小であるPM2.5の規制にも乗り出す予定だ。そして、14年にはさらに厳格な基準Euro6の導入を予定している。各国が対応を求められるところだが、ドイツの環境ゾーンははたして適当な手段と言えるだろうか。多くの都市で緑のステッカーのみが走行するのは2013年以降の話である。
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by yumikov | 2010-06-24 16:17 | 環境のこと

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