ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


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原子力ゼロの電気が買えるのがあたりまえの未来

日本の多くの人々がこれまでにない規模で電気やエネルギーのことを考えているなか、私もあらためて電気のことを考えています。最新の我が家の電気代と使用料を整理しました。

2009年1月15日〜12月31日(351日)
使用量は合計 1142 kWh 料金は320 Euro
一日平均 3.25 kWh 0.91 Euro 1ヶ月30日として27.3 Euro

2010年1月1日〜2011年1月13日(378日)
使用量は合計 1342 kWh 料金は398 Euro
一日平均 3.55 kWh 1.05 Euro 1ヶ月30日として31.5 Euro

二人暮らしのとき月20ユーロくらいだったのが、現在は月30ユーロほどに増えています。子供が生まれて生活が変わった(冬場の加湿器の利用、食洗機の導入)こと、床面積が増え(60平方メートル→100平方メートル)部屋数が増えたこと→照明の数が増えたこと、リビングダイニングといった構造からキッチンとリビングが独立する構造に変わったこと、なども関係するでしょう。そして、床暖房がものすごく電気をくうことに驚きました。バスルームに備え付けの床暖房があり、雪の多かった前回の冬はせっかくあるならと夜に使用しました。ドイツのバスルームはタイル張りで暖房なしだと冷えるんです。しかし、かなりの年代物で性能も不明、つけてもすぐに暖まらない、タイマーも思うように働いてくれないといった代物でした。請求書を見ると前年の冬場の消費量の多さが顕著に現れています。なのでこの冬は使いませんでした。

LichtblickからEWSに乗り換えたのは2010年3月のこと。Lichtblick社の電気もEWS社の電気もグリーン電力で、原子力ゼロの電気です。Lichtblickは顧客満足度ナンバー1のグリーン電力会社だとなにかで読んだ記憶がありますし、実際何も問題はありません(引越し時に2重請求があり返金してもらえなかった!以外は)でした。我が家がEWS社に変えた理由は、電気料金に自然エネルギー(PVやコジェネなど)への投資金額が具体的に組み込まれて自分で選べること、反原発のポジションをより明確に打ち出していること、基本料が安く従量課金分が高いといったさらなる省エネのモチベーションにつながる料金体系であること、です。

参考までに、両社の2011年4月現在の基本料金と従量課金単価を参考に記しておきます。(さっき気づいたのですが、現在では従量課金分もそれほど差がなくなったようです。見直した当初はLichtblickは21.99セント、EWSは23.90セントと2セント近く差がありました。)

Lichtblick基本料(月) 8.95 Euro
従量課金分(kWhあたり)  23,64 Cent

EWS基本料(月) 6.90 Euro
従量課金分(kWhあたり) 23.90 Cent

EWSにしてからの我が家の使用分を見てみると、
一日平均 3.02 kWh 0.93 Euro 1ヶ月30日として27.9 Euro
と悪くない結果となっています。料金体系が我が家の電気の使い方とうまくマッチしているようです。

投資金額が選べると書きましたが、1kW時あたり0.5セント、1セント、2セントの3つから顧客が選択します。ですからEWSでは純粋な使用分による料金よりも高くなる、というか、それを踏まえての料金設定なのです。我が家は1セントを選んでいますから、実際の使用分でみてみると一日あたり3セント(5円程度)が自然エネルギー発電設備の新規設置にまわされているということになります。こうやって計算してみると2セントに上げても無理のない金額だなとわかりました。

使用量と料金を正確に知って分析するというのは省エネを進める上で大切な第1歩です。どこで減らせるのかわからないという方はまず請求書とメーターを確認することから始めるとよいでしょう。そして、電気料金がどういう内訳で構成されているのか、電力会社がそれをどのように公開しているか、こうしたことを調べてみるだけでも今自分の家にひかれている電気がどんなものなのか、将来的にはどんな電気を使いたいか、そうしたことが見えてくるでしょう。

反原発運動から脱原発運動へ」というタイトルで先日記事を書いたのも、正面からの反対運動でなくて「いち抜ーけた」とばかりに原子力ゼロの電気へと消費者自身が替えていく脱原発ムーブメントが今ドイツで起きているのを目にしており、そんな日本の未来を夢想したからです。ですが、それも結局は選択肢が与えられてからなんだ、ということを再確認させられました。個人が電気を選べるように電力事業の自由化も急ピッチで進めてほしいですが、まず日本で個人がどんどん進めるべきはアンペアダウン大作戦でしょうか?我が家では2歳になった息子がスイッチON!スイッチOFF!を繰り返すなどいたずらが増えてくるなか、さらなる省エネ対策が課題になりそうです。
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by yumikov | 2011-04-08 20:21 | 環境のこと

25万人反原発デモのベルリンの様子を写真で

既に日本でも報道されているように土曜のデモには計25万人ほどが参加したという。ベルリンは12万人などと報道されていたが、ここ4年近く見ていて一番の人手だったのは間違いない。
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土曜のデモでは「原子力?おことわり」ポスターが配られ大勢が手にしていた。この太陽は長い伝統を持つ反原発運動のシンボルだが、先日その誕生逸話が南ドイツ新聞で紹介されていた。1975年デンマークはオーフスにて、アンナ・ルンドさんという当時22歳の女子学生がこの笑う太陽のシンボルと文句「ATOMKRAFT? NEJ TAK」を考案したという。以後これまで40ヶ国語に翻訳されている。ドイツ語は「ATOMKRAFT? NEIN DANKE」、日本語は今回の事故後初めて目にしたが以前からあったのだろうか?
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ポツダム広場の地下鉄駅を上がると人、人、人。交差点が人で埋め尽くされていた。
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ソニーセンタービル前。
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1979年ハリスバーグ(スリーマイル島)、1986年チェルノブイリ、2011年フクシマ。
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フィルハーモニー前。
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日本大使館付近。
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Siegessäuleへ向かう道。
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このカードも配布されていた。同じ言葉の入ったTシャツを売る姿も目にしたが買う気にはどうしてもなれなかった。
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反核つながり。
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by yumikov | 2011-03-28 17:24 | 環境のこと

シンボルとなったフクシマ

Anti-Atom-Demo am 26.03.2011
「フクシマは警告する、すべての原子力発電所を停止せよ!」
2011年3月26日@ベルリン、ハンブルク、ケルン、ミュンヘン

福島の原発事故のあとドイツでは各地での一斉デモが組織され、先々週は450ヵ所で11万人、先週は700ヵ所で14万人が集まり原子力発電所の停止を求めました。明日のデモは福島の事故とは無関係に各州選挙前に予定されたものですが、一体どれくらいの人が集まるでしょうか。フクシマという言葉を耳にしない日はなくその度に胸が苦しくなります。

2週間前の今日、これほどの長期戦になろうとは一体誰が予測していたでしょうか。それでも前を向いていかなければならない。いらないものを順々に整理して(まずmixi、twitter、facebook等SNSはすべてやめました)大切なものを問い直したら、ようやく一歩進む気持ちになってきました。
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by yumikov | 2011-03-26 05:05 | 環境のこと

どうかどうかもってくれ原子炉

東北地方太平洋沖地震の後の初の投稿です。金曜朝に地震の報道を聞いてからまったく試験勉強が手につきません。
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ベルリンでは今日18時に日本の被災者追悼の行進が行われました。アレクサンダー広場というだけで待ち合わせ場所も指定されていなかったけれど世界時計のところにパトカーが数台停まっていたのですぐわかりました。
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今日の行進は、反原発団体などが中心となりtwitter等で緊急よびかけがあったもの。私も知ったのが1時間半ほど前でしたが結局家にいてもずっとニュースをみている以外できないしと、日本人の友人中心にダメもとで声がけして出かけました。
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思ったよりもたくさんの人手で500人はゆうに越えていたと思います。直接呼びかけた友人たちは反応してくれましたが、そのほか日本人らしき姿はあまり見かけませんでした。
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参加者が手に持っている赤の蝋燭はお墓に飾るものだそうです。
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緊急デモなのにウンター・デン・リンデンを通行止めにできちゃうんだなぁ、と感心。
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横断幕には"Der Atomausstieg ist alternativlos. 脱原発以外に道はない"の文字。
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首相官邸のある角に着いたところその先まで近づけません。正面玄関前でのデモの許可が降りなかったということでしょうか。ここで私たちは黙祷して日本の被災者の方への祈りを捧げました。昼間にはシュトゥットガルトで6万人規模の反原発デモがあったドイツです。脱原発撤回路線のメルケル首相は退陣せよ!と声を荒らげる人も。

幸い私の家族は皆無事、大切な友人にも連絡がつき、危ない地域にいるはずの人もほぼ安否確認ができたのは幸運なことだと思います。不安なのは福島をはじめとした原発の事故の可能性。既に被曝した方もいると聞き、遠いドイツでやきもきしています。チェルノブイリの経験から最悪の事態を分析予測するドイツでの報道と、日本のパニック回避重視の報道との違いに戸惑いも感じます。ドイツのメディアも「日本政府や当局の説明も矛盾していていたり、隠そうとしていたり」と説明不足への不安が隠せません。

とにかく、今は原子炉にもってくれとしか言えない。
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by yumikov | 2011-03-13 07:58 | 環境のこと

景観パークHerzbergeとリトル・ベトナム

トラムのM8で東に行ったところにちょっとした景観パークHerzbergeがあります。以前MarzahnのGärten der Weltへ行った帰りに通りかかり、いつか息子を連れてきたいと思っていました。羊がのんびりしている原っぱの脇には木立に囲まれた素敵な園庭のある教会系の幼稚園があって、反対側にはこれまた美しい建物の病院の楝が並んで、周りのリヒテンベルク地区の景色とはだいぶ異なります。
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残念ながら中には入れませんでしたが、果樹の植えられた原っぱで存分にボール遊びができました。とても静かなので暖かくなったらのんびりしに来たいと思いました。

帰りにはベトナム・マーケットに立ち寄りました。日曜でもやっているのは知っていましたが、皆ぞろぞろと車で買い付けにきていたのには驚きました。
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大きな倉庫のような建物がいくつも並び、屋根には太陽光発電パネルがずらっと設置されています。中は写真のような感じで通路の両側に店が立ち並んで、日用品から食材までびっくりする値段で売られています。
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レストランも各棟にいくつかあります。ウェイトレスのお姉さんはドイツ語があまりわからず、ジャスミンティーを頼んだらカモミールにレモンスライスを入れて出してくれ、箸を頼んだらハサミを出してくれました・・・。どうやらドイツの法は通用していないようで、禁煙の張り紙の目の前でタバコの煙がもくもく。でもそんなこともあんまり気にならない大らかさが身につきそうな世界でした。お味のほうは、街で食べるベトナム料理よりもオーセンティックな感じがしたのは場の雰囲気からでしょうか?おいしかったです。
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ドイツ暮らしで喋れたら楽しそうだと思う言語のひとつがベトナム語。あとはトルコ語とロシア語。
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by yumikov | 2011-03-11 05:06 | ベルリン生活のこと

私たちの水

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明日の日曜日には住民投票があります。

ベルリンの水道公社は1999年より一部が民営化されていますが、その契約に関する完全な情報開示のための法が必要かどうか、その判断が市民に委ねられるようです。Berliner Wassertischという市民団体が中心となって問題に取り組んできた結果が実を結んで契約公開が達成されたものの、どうやら完全に公開されていない疑惑があるようです。51.1パーセントを所有する水道公社に35パーセントだけしか利益がいかないのには、公開されていない密約があるに違いない、という見方です。

一部民営化の後、ベルリンの水道料金は2001年から2010年までの間にぐんぐん上がって約35パーセントも値上がりしました。その理由は水道公社の一部民営化。一部といっても49.9パーセントとほぼ半分です。値上げの一方で、買い取った会社では大幅な人員削減、いくつかの浄水場の閉鎖、など経費節減を進めて利益を上げています。飲料水という人間の最低限の生活基盤となるものを金儲けの対象にし、生活水準の低い市民を追い詰めるのは倫理的に問題がある。Berliner Wassertischの主張からは、このように水道公社の民営化自体に反対する市民運動の結果という見方もできます。

ベルリンでは2005年に住民投票が導入されて、今回で10回目だそうです。最低612,000票が必要ですが、結果はどうなるでしょう。先日紹介したジャンダルメンマルクト広場の木の伐採の問題とは違って、この住民投票ではドイツ国籍でない私は投票権がありません。住民投票にこぎつけるための署名に協力したけれど、あれも無効になったのかな?
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by yumikov | 2011-02-13 05:39 | 環境のこと

グローバルネット記事『クリスマスツリーの一生』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。1月号ではクリスマスツリーの一生というお話を書きました。クリスマスツリーを例に、木のことや家族と過ごす行事の意味など、皆さんと一緒に考えたいと思います。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』1月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
クリスマスツリーの一生
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 ドイツの新年の風物詩といえば、クリスマスツリーである。とはいっても飾ったツリーではなく、道端にごろんと転がっているツリーだ。ドイツでは生木を切ってツリーとして飾る習慣があり、毎年新しく木を購入する。クリスマスを過ぎてお役ご免になったツリーは、ベルリンでは年明けにベルリン都市清掃公社(BSR)が回収する。地区別に回収日が決められ、フリーペーパーなどで市民に告知される。ドイツではごみの回収は有料で剪定ごみも別にかかるが、ツリーの回収は無料である。クリスマスの雰囲気作りの主役ともいえるツリーが新年早々ごみのように出されているのを見ると、リサイクルされるとはいえ虚しさを覚える。BSR社によると、回収車約830台分のツリーが毎年回収されるという。

 ドイツ人にとってクリスマスは、家族で祝う1年で最も大切な行事である。子供のいる家庭にはツリーは欠かせない。プレゼントがツリーの根元に置かれるからだ。ツリーを置く習慣はいつ頃始まったのだろう。諸説あるようだが、ドイツではおおむね15世紀頃にさかのぼる。当初は貴重なモミを買えるのは裕福な家庭だけで、庶民へツリーが広まったのは19世紀後半のことだ。当時、森を所有していることが多かった教会の反対も、市民の習慣には勝てなかった。こうしてツリー栽培が始まった。


ツリーはどこからやってくる?

 クリスマスツリーは、現在ではドイツで毎年2,500万本が販売される大きな市場である。11月になると街のあちこちにツリーの臨時販売所が立ち並ぶ。数十cmのものから2m超のモミやトウヒ、マツがそろう。値段は15ユーロから、100ユーロを超えるものまである。現在ドイツで人気なのは葉先の丸いノルドマンモミだ。国産のものとしては香りの強いコロラドトウヒなどがある。
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 国内の産地としては、中西部の中級山岳地帯にあるザウアーラント地方やデンマークとの国境にあるシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州が主である。販売されるツリーの約10%は輸入で、その多くはデンマーク産だ。他にはオランダやポーランド、アイルランド、チェコから来る。ヨーロッパ全体では近年ツリー不足で、輸入ツリーの値段は上がっているという。東欧での需要が拡大したことや、過去に採算が合わずに商売をたたんだ生産者の影響が理由にあるようだ。お隣のオーストリアも同じような状況だが、ツリー生産者共同体は国産ツリーのPRを行っている。これが功を奏してか、市民は年々地元の木を選ぶようになってきているという。

 ドイツで売られるツリーの大半は森で育ったものではない。80%以上が高圧線やガスパイプラインの近くなどの特別用地などでプランテーション栽培される。ドイツでは1950年代にツリーの大規模なモノカルチャー栽培が始まった。これらは通常、殺虫剤や除草剤、無機肥料がたっぷりと施されている。均一に育ち、葉が濃い緑色になるようにだ。見た目よく育てるために遺伝子組み換えツリーも市場に登場する予定だという。


安全なツリー選びのポイント

 ドイツ自然保護連盟(NABU)は、認証を受けたツリーを購入するよう消費者に勧めている。お勧めは、bio、Naturland、FSC(森林管理協議会)の三つだ。bioは食品にも使われるEU共通の有機認証で、園芸センターでも目にする。Naturlandは三つの環境団体(ドイツ環境自然保護連盟BUND、グリーンピース、Robin Wood)による森林認証で、環境の視点からはFSCより厳格である。FSCは、持続可能性の視点から社会面・経済面も考慮した森林認証だ。NABUは、認証なしの木を買うのであれば、せめて地元の木、できれば間伐材を購入して欲しいと呼びかけている。Robin Woodでは、環境にやさしいツリー販売所を具体的に紹介している。このリストによれば、ドイツ各地の約40ヵ所で認証ツリーが購入できる。中には自分で切らせてくれる営林所もあり、それもまたいい記念になりそうだ。ベルリンでは、テーゲルやグルーネヴァルトの森にある森林局などでFSCとNaturlandの認証を受けたマツが買える。一方、近所の臨時販売所でも昨冬FSC認証の木を10本仕入れたのだが、まったく売れなかったという。そのため今年は置いていない。オーストリアのように地元ブランドや認証のPRがもっと必要なようだ。


バイオマス燃料と飼料に生まれ変わる

 ところで、BSR社によって回収されたツリーは、2009年からは電力会社Vattenfall社との協働によってリサイクルされている。年間約40万本が木片チップへ粉砕され、市内の二つの発電所へと運ばれる。これがコジェネレーションシステムで燃料として活用され、電気と熱を生み出している。ツリーから生まれる木片チップの量は年間2,700tで、褐炭2,000tの替わりとなり、3,000tの二酸化炭素(CO2)排出抑制効果と算出されている。このようなツリーの燃料としての利用はベルリン以外の自治体でも行われている。
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Vattenfallヨーロッパ・ベルリン支社代表クラウス・ピチュケ氏(左)、ベルリン都市清掃公社の代表ヴェラ・ゲーデ=ブッツラフ氏(右)と同社従業員たち


 また、売れ残ったツリーを動物園に運んで飼料にする取り組みは20年以上前から行われている。ゾウやアルパカ、クマ、ラクダ、シカなどが好んで食べる。葉の部分にある精油が消化を助けるという。

 木片チップも飼料も、有効利用という意味ではいいかもしれない。しかし、ツリーの回収にもエネルギーが使われるわけで、幼木が大量消費されることにも変わりはない。種子がまかれて2mになるまでには、樹種によって8〜12年かかるという。飾る期間は宗派や習慣によって異なるが、せいぜい2ヵ月だ。何年もの歳月をかけてようやく育ってきた木を、その2ヵ月のために一斉に切り倒す。根のついたツリーも一部売られているが、結局長持ちしない。鉢に入れて家の中の暖かい場所に置いた後にまた寒空の庭に植え替えても、もう木は生命力を取り戻すことはできない。

 Robin Woodはツリーを置かないというオルタナティブも提案している。ツリーが広まるずっと以前から、陽の差さない冬場に常緑の植物で部屋を飾って健康を願う習慣はドイツにあった。しかしそれは自然の宿す生命力をおすそ分けしてもらうという意味ではなかったか。折れた枝など身近にあるものを使って、松かさや鮮やかな木の実で飾りつけても素朴な美しさがある。家族の木をどこかに植えて毎年会いに行くなんていうのはどうだろう。ドイツでは新年ではなくクリスマスが1年で最も静粛で、自己や世界を見つめなおすときだ。その機会に子供と一緒にツリーについて根本から見なおしてみるのもいいかもしれない。


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週末をドイツのファミリーと過ごしてベルリンに戻ると、道端に転がっていたツリーがすっかり片づいていました。大晦日の花火の残骸に、犬の糞、すべり止め用の砂、1月あたまのドイツの路上はほんとうに目もあてられないひどい有様です。BSR社さん、ご苦労さまです。
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by yumikov | 2011-01-27 17:10 | 環境のこと

グローバルネット記事『「反原発」から「脱原発」運動へ』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。11月号ではドイツで今一番気になる話題、原子力発電所の稼働期間延長にクローズアップして、新しい市民運動のかたちを取り上げました。

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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』11月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
「反原発」から「脱原発」運動へ
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー

 脱原発を掲げてから10年、ついにドイツ政府は現存する17の原子力発電所の閉鎖を先延ばしすることにした。これまで原子力法等の改正により新設禁止や稼働年数制限などを定めて、段階的に原発を閉鎖してきた。それが9月の決定により各原子炉は平均12年の稼働延長となり、ドイツから原発が消えるのは早くとも2036年になる。決定から2ヵ月経った今も、政府と企業との密約スキャンダル、国内での法改正プロセスやEU(欧州連合)内での手続き問題など、関連の報道で目まぐるしい。再生可能エネルギー推進のための負担増を理由に来年の電気料金の大幅値上げも発表された。

 ところで今回の決定はあくまでも脱原発のタイミングを先送りするもので、ドイツの政治には原発推進の議論は起きていない。世論が脱原発を示しているからだ。延長が具体的に議論され始めた昨年からは市民の抗議活動も活発になり、4月や9月のデモにはそれぞれ10万人が駆けつけた。「原子力ルネサンス」ならぬ「反原発運動ルネサンス」(1980年代ドイツの反原発運動の再来)と報じられるほどだ。稼働延長決定後の世論調査では、メルケル政権の支持率はかつてないほど落ち込み、緑の党は過去最高まで躍進している。


グリーン電力を買うことで原発をボイコット

 しかし、市民運動も変化してきている。1986年のチェルノブイリの事故の後のこと。ドイツの小さな町シェーナウでは、原発のない未来を目指す市民グループが誕生し、最終的には電力網を買い取り、原子力ゼロの電力を町に供給することに成功した。EU指令により全面的に電力自由化された1998年からは、ドイツでは個人も電気の購入先を自由に選べるようになった。シェーナウの市民のようにもう闘わなくてもいいのだ。

 電力供給専門業社、地方自治体の電力公社、グリーン電力専門会社など、現在参入している電力供給者は900社以上。9,000もの電力料金体系がある。しかし実際はRWE、E.ON、Vattenfall、EnBWの四大コンツェルンが独占している状態だ。原子力と石炭火力発電が事業の柱を成す4社の発電量と供給量のシェアは実質8割にも上る。グリーン電力を選ぶ消費者も増えつつあるが、まだ1割にも満たない。そこで21の環境団体が結集し、4年前から「誰にでもできる脱原発」キャンペーンを行っている。原発や石炭火力発電から完全に切り離されたグリーン電力へ乗り替えてもらうのが目的だ。お勧めの供給者をピックアップしてPRしている。
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政治的な態度と消費行動の矛盾

 9月の10万人デモの後には「反原発を叫ぶ人の多くもまだ原発による電力を買っている」といった報道がされた。ドイツの発電における再生可能エネルギーのシェアは約6分の1。だがドイツにある4,000万世帯のうち、キャンペーン推奨のグリーン電力を購入しているのは80〜90万世帯。そのほかのグリーン電力を購入しているのが100〜200万世帯。もっと伸びてもいいはずだ。

 キャンペーナーのフローリアン・ノートー氏は「みんなグリーン電力にも替えない代わりにもっと安い契約にも替えない。難しく考え過ぎている」と言う。ドイツの電気料金は欧州でも最高値に近く、年々上昇している。確かに人びとがより安い電力へと流れないのも不思議だ。これまで小売りで50%、産業界では100%契約を変更したのに対し、個人は25%だという。

 一つには「グリーン電力=高い」という誤解がある。実際は、使用状況に合わせて選べば、お得になることさえある。簡単に試算できるwebもあるが、調べもせずに高いと考える人は少なくない。安定供給に対する不安も根強い。再生可能エネルギーだけでは供給が不安定になるのでは? 風のない日や雨の日は停電が起きるのでは? どんな契約でもコンセントから流れてくるのは同じ電気ということは案外理解されていない。保険や税金申告はどうなるのか? メーターも替えないといけないのでは? 小さな不安も腰を重くするのに足りる。実際の手続きは契約書に記入して送付するだけ。検針メーター番号と大まかな消費量がわかれば10分で完了する。

エコ電力は「ほんとにエコ?」

 グリーン電力はドイツでは「エコ電力」と呼ばれる。法的な定義がないため、さまざまなエネルギーミックスと質の電力が「エコ」「クリーン」といううたい文句で売り出されている。グリーン電力の認証制度もあるが、新しい発電所からの電力割合が高いことや、再生可能エネルギーへ投資していることなど、基準もまちまちだ。原子力や火力発電由来の電力をグリーン電力と交換する証書システムもあり、基準を知らないと望んだものとは程遠くなってしまう。コストから認証取得を諦める小規模事業者もある。こうした事情も消費者に判断を難しくさせてしまう。

 キャンペーンで勧めているのはGreenpeace Energy、EWS、Naturstrom、Lichtblickの4社だ。基準は、1. 原子力とは無縁 2. エネルギーミックスの少なくとも50%は再生可能エネルギー 3. コジェネレーションの割合は最大50%まで 4. ドイツ全域に供給できるーーことだ。PRしてもらえる企業にとってはありがたい話だが、キャンペーンはいかなる企業からも資金援助を一切受けていない。「電力公社の多くは再生可能エネルギーに移行しようと計画し資金も準備している。それをサポートすることも大切だが、原発がある限り投資は進まない。そのためキャンペーンでは、お金の流れを原子力産業ではなく、再生可能エネルギーに向けることを優先課題にしている」とノートー氏。

 キャンペーンのリーフレットは今年だけでも15万部が配られた。親を説得するために注文する子供もいるという。原発の稼働期間延長の発表後は、注文は増えているそうだ。キャンペーンはまだ続く。


エネルギーを選べる時代が来ている

 わが家はグリーン電力最大手のLichtblickと契約していたが、基本料の安いEWSに乗り替えた。従量課金の割合が高ければさらに省エネする気が起きる上、EWS社は再生可能エネルギーへの投資方法も透明性が高く、自分のお金が未来をつくっている実感がある。これからはグリーン電力同士を比較、検討して選ぶ時代だ。

 最後にノートー氏に、個人が電力を選べない日本のような国では何ができるかと尋ねてみた。「まずは個人も電気を選べるよう自由化の拡大を求めること。シェーナウ市民のように電力網を買い取ること。この二つは難しいけれど、自宅の屋根に太陽光パネルを設置するのは個人でもできる。資金的に難しければ市民発電所に出資するのもいい。学校などの屋根に太陽光パネルを共同で設置してはどうかな? 一番簡単なのは省エネすること。シェーナウの取り組みも省エネから始まった。誰でもできる。お金も節約できる。」


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政府の法改正案の議会への提出が明日26日に控えています。これを通過すれば脱原発の先送りは本決まりですが、それには大統領の署名が必要です。市民団体は反対署名を10万筆以上集めて大統領に先週手渡しました。署名は現在12万筆以上になっています。過去に大統領が政府案に署名をしなかったのは一度きりだそうです。はたしてヴルフ大統領は署名してしまうのでしょうか?
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by yumikov | 2010-11-25 17:16 | 環境のこと

原発延長審議を見守る人々

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薄ら寒い今日のベルリン。ただいま原発稼働延長に関連する法改正などが議会で審議されています。

今朝はドイツ環境自然保護連盟BUND(FoEドイツ)、ドイツ環境支援協会、グリーンピースなどの環境団体と、緑の党、SPD、左派党の野党、AttacやCampactなどが連携して早朝デモを行いました。

集まったのは2000人くらいかな?
議事堂と首相府の間の道にずらっと並びました。
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赤いSPDの支持者。ホイッスルをもらいました。
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緑はおなじみ緑の党。
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おや、Lichtblickさんは営業ですか?(グリーン電力会社)

声を張り上げる前にエネルギーをつけてもらおうと、主催者側ではデモの始まる前8時から朝食を振る舞いました。コーヒー、紅茶、ケーキ(え!朝からケーキ!?)。でも使い捨て紙コップはいただけませんね。SPDもBUNDも!
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Campactはプラスチックカップ。

デモ後は9時からブランデンブルク門前でデモ史上初?の議会パブリックビューイング。
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観光客相手の熊の着ぐるみも観客に埋もれてしまっています(笑)。

関連法に関する審議は午前中いっぱいは続くだろうということで、風邪のひき始めの予感がする私は切り上げてきました。
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by yumikov | 2010-10-28 18:52 | 環境のこと

「差出人に返送します」

このところ始めたtwitterではちょこちょこつぶやいていますが、まとまった時間がなかなかとれなくてブログはご無沙汰してしまっています。

こちらは今日のベルリン。放射性廃棄物を入れるドラム缶がズラリ。
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と思ったら連邦議会議事堂が隠れていました。
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このドラム缶はもちろん空っぽ。中に放射性廃棄物が入っていたらこんな風にお嬢ちゃんがドラム缶を叩いて遊ぶことなどできません。
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輸送用キャスクを模したトラックには「差出人に返送」の文字。核廃棄物を生み出したのは誰でしょう?
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これは原発の稼働延長に反対する人々のアクション。最終処分地を押しつけられるゴアレーベンを昨日出発したドラム缶が今日ベルリンに到着して、電力会社Vattenfall社経由で連邦議会議事堂前まで運ばれました。

私が到着したのはちょうどドラム缶がまたしまわれる前でしたが、アクションには300人ほど参加したそう。木曜日にはいよいよ連邦議会の決定が下されます。環境NGOや環境政党は木曜日の朝8時頃から朝食を用意してたくさんのデモ参加者を待っているそうです。
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by yumikov | 2010-10-26 05:15 | 環境のこと

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