ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


by yumikov

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

<   2009年 12月 ( 4 )   > この月の画像一覧

ベルリンの市民予算の話を聞く

f0157115_2321592.jpg
大阪から行政の方が視察にみえるということで、先日、リヒテンベルク地区とマールツァーン=ヘラースドルフ地区の市民予算制度の視察に同行させていただきました。

初日、マールツァーン=ヘラースドルフ地区の区役所を訪れました。区長のダグマー・ポーレさんと、市民予算の行政担当の女性、そして市民の有志代表である男性とアシスタントという豪華なお出迎えです。

まずポーレ区長が地区の概要を説明。この地区はベルリン市の旧東ドイツ側にあり、北と東はブランデンブルク州に接しています。2001年に2つの地区が合併してできた新しい地区です。70年にプラッテンバウというコンクリート建築の住宅がたくさん建てられたことで、住民数が急増したそうです。住民の3分の2はプラッテンバウに住んでいるそうです。

f0157115_22425951.jpg市民代表の男性は、完成間近のポータルサイトを紹介してくださいました。ここでは、市民から上げられた提案ひとつひとつへの対応状況が確認できます。この地区では、出された提案をカテゴリー分け(ABC)して、優先順位を決めます。内容の充実具合に感心してしまいました。

翌日は、この制度の先駆けであるリヒテンベルク地区を訪問。日頃の行動範囲をちょっと出たくらいの場所なんですが、街の風景ががらりと変わってしまいます。こちらもエムリッヒ区長が直々に対応してくださいました。この日は子どもを預ける目処が立たずベビーカーで訪問したのですが、熊のぬいぐるみ(冒頭写真)で歓待してくださいました。(ベルリンといえばベアー)子連れでも首長さんのところへ出向いてしまえっ!と思える気風がドイツのありがたいところのひとつです。

この日の訪問時間は短く、質問事項に答えていただくかたちでダイジェストで話を伺いました。さすがはリヒテンベルク地区、毎年の市民予算の結果を立派なパンフレットにまとめてあり、細かい数字も公表しています。ウェブサイトを見ても、海外からの市民予算制度視察が多いようです。これからじっくり資料を読み込んでいきたいと思います。

f0157115_2243377.gifリヒテンベルク地区にもポータルサイトがあり、こちらのトップページにずらっと並んでいるのが、住民からの提案のひとつひとつです。



大阪市の方の関心は当然、どうやってその市民予算に当てる予算を捻出するのかということ、行政内部でどうやって制度化の理解を得られるか、ということでした。「導入の際に職員から反発はなかったのか?」とエムリッヒ区長に質問すると、「そりゃあったけれども、こういうのは誰かが始めないと動かないんだから、私がトップダウンで導入したのよ」。かーっこいい!ちなみに、導入当時はもちろん仕事が増えるので職員は乗り気でなかったけれど、今は職員もこの制度を楽しんでいるとのこと。

今回訪問したどちらの区長さんも偶然女性でした。両地区とも政治的には左が強いところで、両首長とも左翼党(DIE LINKE)です。

どちらの地区についても、正直なところこれまで私はあまりよい印象を持っていませんでした。柄の悪い子どもたちや、歩きタバコ、昼間からの飲酒、この地区で目にするのはそういったネガティブな光景が多いからです。高層コンクリート建築が濫立する様子はちょっと薄気味悪く、ネオナチが多いということもよく言われます。先日の新聞でも負債を抱える人口の割合が高いと読みました。

ですが、今回の訪問では、両地区ともに特に若い住民層の関心を区政に積極的に取り入れ、将来の街作りの基盤を固めようとしている姿勢が見られました。言葉にしてしまうとどこの地方自治体でも当然目標として掲げているような理想でしょうが、両地区ともそれをこの市民予算制度を通じて具体的に実現しようとしていると言ってよいと思います。また、トップダウンで制度を導入したとしても、最終的にイニシアチブをとっているのはどの地区でも市民の有志ですから、必ずしも行政主導とも言えません。

そして、フリードリヒスハイン=クロイツベルク地区の市民予算はまだまだ発展途上だなぁということを確認しました。2011年度の予算編成についての会合は12月前後に開かれる予定でしたが、それが延期されたことを先日地元新聞で読みました。自分の住む街の市民予算制度、今後の動きも追っていきたいと思います。

コペンハーゲンの気候会議は予想以上にひどい結果でグローバルな政治は絶望一色といったところですが、ローカルな政治は目に見えやすいし影響を与えやすいという点ではかなりオモシロイ。もちろん長期的に、グローバルに考えるのを諦めてはなりませんが。
[PR]
by yumikov | 2009-12-29 20:49 | ベルリン生活のこと

ESD-J地域ブログ更新しました(2009年12月21日)

ベルリンではダメ押しのように雪が降っています。

幼稚園のESD視察に行ったときのことをESD-Jのブログにアップしました。よろしければご覧ください↓

キンダーガルテンのESD@ドイツ その1
キンダーガルテンのESD@ドイツ その2
キンダーガルテンのESD@ドイツ その3
f0157115_19275158.jpg

[PR]
by yumikov | 2009-12-21 19:16 | 環境のこと

中庭の神樹切られる

ベルリンの気温はただいまマイナス11.5度。ひさしぶりの白銀+晴天を味わっています。

さて、ちょっと遡りますが、新居に越してきて1ヶ月ほどたったある日、中庭の木が切り倒されました。

その切られ方が「切り倒す」という表現では不的確で、バラバラ事件で想像されるような痛々しい切り刻み方だったのです。とはいえ、人間ひとりがこの木にするするとみるみるうちに登りつめ、命綱を適宜吊るしながら、少しずつ丸太状に落としていくというプロセスは、ちょっと見物でした。

f0157115_19232574.jpgこの木は神樹(しんじゅ)という別名を持つニワウルシという落葉高木で、ドイツ語で文字通りGötterbaumというのですが、てっきり住民に神様のように神聖に扱われ親しまれてきた木なのだと勘違いしていました。幹の根元は直径1メートルはあったではないでしょうか。立派なものでした。

前のアパートメントの中庭は、年間管理費がかなり投入されていると住民の間で噂されるのも無理もない感じの手のかけられたガーデニングでした。金の熊の彫刻が門番をしているような表門からも覗けるその庭は、さながら高級住宅といった威圧感を醸していて(ほんとはそんなことないのですが)、ご近所さんによく「あの庭がきれいなところ」と指摘されたものです。それとはまったく雰囲気が違う今度のシンプルな中庭の風景を楽しんでいたのに、この木が切られてしまったのはとても残念です。

この木は病気で、私たちが入居する際には既に切られることが決まっていたのですが、この1ヶ月、キッチンと寝室から見える中庭の中心はこの木だったので、どうにか先延ばしにならないものかとほのかに期待していました。4階の窓をも悠々超えて上へ伸びる枝とそこについた葉が、すっかり中庭の風景となり、対岸(?)の住民との視界を互いに遮る役割も持っていました。今は中庭からは寒々しく対岸が見渡せ、寝室からはプラッテンバウという旧東ドイツ特有の高層プレハブ建築の寒々しい建物が見えることが発覚。

「既に数年前に木が病み出した時に管理者に対処を依頼したのに、それをきかずに結局切られることになってしまった。」7年前から住む住民はこう話していたそうです。彼女はTagesmutterといって自宅で子どもたちを預かる仕事をしていて、木が切られる当日には子どもたちと涙目で現場に立ち会い、切り株をもらって記念に自宅の裏庭に置いてあります。この日中庭で夫が立ち話をしたのがきっかけで、うちの子を預かってもらう話も急浮上したのですが、現行は役所が斡旋するシステムのため、既に申請していた他の希望者で埋まり、この話はおじゃんになってしまいました。まぁ、なにごとも縁ですから仕方がないですね。

管理者は代わりの木を植えるといっていましたが、なんとも寂しい話です。
[PR]
by yumikov | 2009-12-19 21:44 | ベルリン生活のこと

少しずつ年の瀬気分・・・

f0157115_684917.jpg
アドベンツクランツの3つめのロウソクに火が灯りました。(写真はまだひとつだけど)初の自作です。

雪が舞い散った先週末の第3アドベントには、地元samariterkiezでささやかなクリスマスマーケットが開かれました。
クリスマスらしい星型のランプ、手編みの暖かな手袋や帽子、子ども服におもちゃ、国産材のまな板、自家製パスタソースに、高級チョコレート、もちろんグリューワイン。教会のまわりをぐるりと取り囲むだけの小さな市ですが、このKiezらしいお店が立ち並んでいました。Kiezというのは特にベルリンで使用されている地区の区分で、行政区ではなく町内会的な規模で、近隣の住民が地元のコミュニティーに対して愛着を持って呼ぶような感じです。
この地区で暮らしだして2年半、だいぶご近所がわかってきました。それでもこないだ引越しもしたし、散歩をしていてまだ発見はたくさんあります。地元の人が元気に活気あるまちづくりをしているところに住むのは気持ちがいいものです。

Sophienstraßeの環境クリスマスマーケットへもまだ行っていないし、今年はSpandauのクリスマスマーケットにも足を運びたいと思っているのですが、残すは今週末。

秋からあまり更新ができていませんが、色々と書きたいことはありました。年末にかけてちょっとずつ振り返って更新できるかしら?と思っています。
[PR]
by yumikov | 2009-12-15 06:20 | ベルリン生活のこと

最新の記事

今後はウェブサイトでお会いし..
at 2011-12-18 22:01
東京FMでドイツのエネルギー..
at 2011-11-09 10:31
グローバルネット記事『“市民..
at 2011-11-04 15:10
さよならベルリン
at 2011-10-25 22:12
グローバルネット記事『都会の..
at 2011-08-24 17:04

以前の記事

2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
more...

タグ

(68)
(63)
(49)
(31)
(29)
(28)
(27)
(24)
(22)
(21)
(20)
(17)
(15)
(14)
(12)
(12)
(9)
(7)
(5)
(3)

検索

リンク&お知らせ

プロフィールはこちら

月刊環境情報紙グローバルネットにて”ベルリン発サステナブルライフ考”連載中。(2010年5月号〜)

NPO法人「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD-J)のドイツ地域レポーターをやっています。

ご意見・感想、叱咤激励もお気軽に。
email: yumikov (at) excite.co.jp

写真・記事等、転載ご希望の際はご一報ください。copyright©2007 yumikov all rights reserved.

●リンク●
フリードリヒスハイン周辺map

auf deutsch

「東北関東大震災」支援クリック募金

Stop

一日1クリックで 砂漠緑化に協力しよう

hejdagmo.se

フィフティ・フィフティ

ライフログ

ドイツ環境教育教本―環境を守るための宝箱

グローバルな正義を求めて

未来は緑―ドイツ緑の党新綱領

市民・地域が進める地球温暖化防止

最新のトラックバック

キャンプ場調査報告
from キャンプ場
ポツダムの地ビールBra..
from 自転車旅行@cyclingl..
Itinerary (I..
from Life is beauti..

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧