ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


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カテゴリ:環境のこと( 158 )

グローバルネット記事『暖房キノコとたばこのいい関係?』

月刊誌『グローバルネット』に連載中の記事、3月号には暖房キノコと呼ばれる屋外用ヒーターを取り上げました。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』3月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
暖房キノコとたばこのいい関係?
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


ヨーロッパでの暮らしでカフェは身近な存在で、皆ゆったりと時を過ごしているように見える。とくに人気なのが店外のオープンカフェスペースだ。夏場など外は満席、店内はがらがらということはざらだ。肌寒い季節でもコートを着たまま外に腰かける人も珍しくない。それが何年前からだろうか、カフェやレストランのオープンスペースで長身の円筒型のヒーターを目にするようになった。アルミニウムの反射板が傘となっているその姿から暖房キノコと呼ばれている(写真)。

煌々と火が焚かれるそばに腰を下ろせば、暖をとりながら食事やお茶ができるというわけだ。調べてみると2004年の冷夏の際に人気が急上昇し、2008年までにベルリンだけでも5,000台に増えたといわれる。

喫煙者の健康を守る?ガスヒーター

 暖房キノコの繁殖に拍車をかけたのは禁煙法だ。ドイツでは2007年から州ごとに法を定めて公共の場や飲食店内での喫煙禁止を導入してきた。バーやビアホールでもたばこが吸いたければ外に席を取らざるを得ない。それで冬場の客足を確保するために暖房キノコを導入する店が増えた。禁煙法はEU(欧州連合)全体で導入が進んでおり、フランスやスウェーデンなど他のEU諸国でもこうしたガスヒーターが増えている。

 しかし温暖化対策の観点から規制する都市も増えている。暖房キノコ1台が排出する二酸化炭素(CO2)は、年間最大4t(ガス式で週36時間使用の場合)にのぼるという。テュービンゲンやプフォルツハイムなどでは完全に追放した。しかしシュツットガルトのように逆の展開もある。すでに市街地では規制されていたが、禁煙法導入後に強い反発が起き、20時以降は使用していいことになった。スイスでは連邦議会にかけられたが国レベルでの規制には至らなかった。店外でたばこを吸わざるをえない喫煙者を肺炎から守るためには必要という声もあったというからあきれる。

 しかし、「喫煙者は外、嫌煙者は内」がいいアイデアなのかは疑問だ。喫煙者が外に追いやられていると感じている一方で、嫌煙者にはオープンカフェの外のベストな席を喫煙者が占有しているように見える。メインの部屋とは別に喫煙室を設置することは認められているが、それができない小さな店には外しか残されていない。禁煙法は各州で波紋を呼んでおり、いまだに嫌煙者と喫煙者の共存が議論されている。

行政とメーカーの攻防戦

 現在ベルリンでは気候保全法制定の動きがあり、その枠組みで州レベルでの暖房キノコの禁止が検討されている。しかし法案の調整に時間がかかり、思うように進んでいない。12のうちの5つの区は、しびれを切らして2009年から公道での暖房キノコ規制を独自に開始した。路上での営業には道路法の特別営業許可が適用されるが、暖房キノコは対象外とする。しかし地区ごとに取り締まりが異なるため、効果もばらばらだ。撤去が進んでいる地区もあるが、行政の通告を無視している地域もある。年中旅行者が絶えないため100ユーロ程度の罰金など痛くもかゆくもないようだ。2つの地区での規制を導入しているハンブルクでも同じことが言える。

 禁止から2年が経った現在も、一部のレストランやカフェではあいかわらず暖房キノコを使っている。なんと、よく見ると半数近くが電気式だ。暖房キノコは当初ガス式だったが、メーカーが「環境にやさしい電気式」を出し始めたのだ。現状で規制対象はガス式だけだからである。外壁に固定するタイプの赤外線暖房も登場している。路上に設置するわけではないので将来的にも道路法の規制対象にならないだろうと踏んでのことだ。暖房キノコの名づけ親でベルリンで販売・リース会社を営んでいるミヒャエル・シュルツ氏は規制対策に追われている。同社のWebには「ここはいつでも常夏さ!」のうたい文句が目につく。暖房キノコが1本売れるごとに、木を1本植樹するキャンペーンを開始したのは、規制への反発からとしか思えない。

ニーズを踏まえたサービスを

 飲食店の本音はどうなのだろう? ふたを開けてみれば規制を歓迎している飲食店も少なくない。暖房キノコの維持には当然コストがかかる上、安全管理も必要だ。お客が流れるのを恐れていただけで、近くに暖房キノコを使う店がなければあまり問題はないわけだ。お客の方も本当に外の暖房を必要としているのかは疑問だ。多方面で環境政策が導入されているお国柄、暖房キノコは結構目立つ存在だ。怪訝そうな顔でその脇を通りすぎるのは私だけではない。地元の人に愛される店になるには、もっと長期的な視点で見て別の面でサービスに力を入れるべきだろう。

法的規制か、自主協定か
 
暖房キノコの規制によって、ガスから非効率な電気の熱利用へ切り替わったのは悩ましいことだ。緑の党はこうした状況を受けて、「暖房キノコは毒キノコ」キャンペーンを開始した。ガスだろうが電気だろうが、固定式も可動式も、公道でも私有地でも、いかなる方法であれ外気を暖房するという愚かなこと自体を禁止せよという主張だ。ヒーターの種別で規制してもいたちごっこになるのは経験が証明しているからだ。州政府の気候保全法制定に時間がかかるなら現行のベルリン省エネ法を改正して規制するよう求めている。それができればいいとは思うが、ドイツ全体で暖房キノコが減るわけではない。

 ドイツ連邦環境庁も屋外での暖房使用自体を問題視して、環境負荷をわかりやすくパンフレットにまとめて配布しているが、連邦レベルでの規制に踏み込む様子は今のところない。EUレベルで暖房キノコを法的に規制することも考えられるが、大変な事務作業を伴うため、むしろミュンスターの自主協定のような自主的な放棄が望ましいとしている。

 ミュンスター市はホテル・飲食店組合と協力して、店ごとの自主的な取り組みを呼びかけている。ブランケットを無料配布し、暖房キノコ放棄宣言をしてもらうというものだ。約30店舗が参加しており、卓上にはシロクマの写真の宣言文が並ぶ。これは一人の市民の行動から始まった。映画館を営むトーマス・ベームさんが暖房キノコの設置を検討した際に、これがいかに環境負荷の高いものかを知り、市に暖房キノコの使用禁止を求めるべく住民提案(市議会が特定の事項を取り扱うことを請求する制度)を提出した。提案は退けられたものの、市は啓発キャンペーンを約束した。それが実ったかたちである。

 個人のベランダに暖房キノコを見かけたときにはぎょっとしたものだ。人間の飽くなき欲望のために非効率な方法でエネルギーを無駄にするのがいかに愚かか、それが人間としての自分の尊厳を傷つけるものだとは、外から言われてすぐに気づくことではない。温暖化対策といっても聞く耳は持たないだろう。ケルンでは景観を損ねるという理由から、ニュルンベルクでは店外に喫煙者がたむろするのを防ぐ騒音防止の観点から、暖房キノコが禁止されたそうだ。こうしたアプローチも悪くないのかもしれない。
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by yumikov | 2011-04-21 07:15 | 環境のこと

あとに続け!エネルギーシフト

NHKでも報道されたとおり、メルケル首相は昨日行われた各州首相と関係閣僚によるエネルギー政策会議で「できるだけ早く原発から再生可能エネルギーへと乗り換えたい」と言いました。忘れないよ、メルケルさん。たとえ他の国がついてこなくてもドイツはやってみせるしかない。

この昨日の会議前にもアクションがありました。参加者が首相官邸入りする時間に合わせて。原子力発電所ドミノを倒していってメルケル首相とレットゲン環境相があわあわ。よくまぁ毎度こうしたアクションが思いつくものだ。



私のまわりでも日本のエネルギーシフトのためのプロジェクトが色々同時進行中。最近デモの話ばかり書いてますが、なにも私も反対の声を上げているだけではなく、未来のエネルギーの道筋を描こうとしています。今住むドイツのことも大事だけど、日本は今が正念場でありチャンス。なので今は日本優先で、デモ参加は25日までお預けかな。
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チェルノブイリ25周年を記念してドイツの原子力発電所12ヶ所で行われる同時多発デモです。日本でも24日(日)にまた色々あるみたいですね。連携していきましょう!
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by yumikov | 2011-04-17 05:32 | 環境のこと

♪abschalten! Atom-Atomkraft, abschalten! jetzt, jetzt, jetzt♪

NPO環境市民さんにドイツの反原発デモの様子をこの1年を振り返って紹介しました。

「ドイツで再燃する反原発運動の今」
「デモの裏方事情」

よかったら読んでみてください。



先月26日のデモのビデオをアップしてみました。Youtubeにアップするのは初めてなのでうまく見られるかどうか。ドイツ環境自然保護連盟(BUND)の山車とそれに続く市民。音楽に合わせたシュプレヒコールはabschalten! Atom-Atomkraft, abschalten! jetzt, jetzt, jetzt(停止せよ、原子力。停止せよ、即、即、即)グループによって主張も多少違うのでどこを歩くかはいつも選びます。

この週末、特に4月10日には、日本各所で脱原発デモやイベントが企画されているようですね。札幌、新潟、東京、鎌倉、静岡、名古屋、大阪、京都、富山、広島、福岡、沖縄と本当に北から南まで。もし今日本にいたらきっと高円寺に足を運んでいただろうな。だってジンタらムータのライブがあるから。ソウルフラワーや渋さ知らズ、シカラムータ好きな方は必聴です♪ ひとを動かすのは最終的にはことばでなく感動なのかもしれない。

自分にできることのひとつは、今いる場所でこれまでどおり脱原発に向けて行動し続けること、原発のない未来をめざして今活動している人しようとしている人にエールを送ることだと思っています。ほんとは音楽で感動を与えられたらそっちのほうがよっぽど格好いいと思ってるんですけどね060.gif

桜の咲きはじめたベルリンより。
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by yumikov | 2011-04-09 06:12 | 環境のこと

原子力ゼロの電気が買えるのがあたりまえの未来

日本の多くの人々がこれまでにない規模で電気やエネルギーのことを考えているなか、私もあらためて電気のことを考えています。最新の我が家の電気代と使用料を整理しました。

2009年1月15日〜12月31日(351日)
使用量は合計 1142 kWh 料金は320 Euro
一日平均 3.25 kWh 0.91 Euro 1ヶ月30日として27.3 Euro

2010年1月1日〜2011年1月13日(378日)
使用量は合計 1342 kWh 料金は398 Euro
一日平均 3.55 kWh 1.05 Euro 1ヶ月30日として31.5 Euro

二人暮らしのとき月20ユーロくらいだったのが、現在は月30ユーロほどに増えています。子供が生まれて生活が変わった(冬場の加湿器の利用、食洗機の導入)こと、床面積が増え(60平方メートル→100平方メートル)部屋数が増えたこと→照明の数が増えたこと、リビングダイニングといった構造からキッチンとリビングが独立する構造に変わったこと、なども関係するでしょう。そして、床暖房がものすごく電気をくうことに驚きました。バスルームに備え付けの床暖房があり、雪の多かった前回の冬はせっかくあるならと夜に使用しました。ドイツのバスルームはタイル張りで暖房なしだと冷えるんです。しかし、かなりの年代物で性能も不明、つけてもすぐに暖まらない、タイマーも思うように働いてくれないといった代物でした。請求書を見ると前年の冬場の消費量の多さが顕著に現れています。なのでこの冬は使いませんでした。

LichtblickからEWSに乗り換えたのは2010年3月のこと。Lichtblick社の電気もEWS社の電気もグリーン電力で、原子力ゼロの電気です。Lichtblickは顧客満足度ナンバー1のグリーン電力会社だとなにかで読んだ記憶がありますし、実際何も問題はありません(引越し時に2重請求があり返金してもらえなかった!以外は)でした。我が家がEWS社に変えた理由は、電気料金に自然エネルギー(PVやコジェネなど)への投資金額が具体的に組み込まれて自分で選べること、反原発のポジションをより明確に打ち出していること、基本料が安く従量課金分が高いといったさらなる省エネのモチベーションにつながる料金体系であること、です。

参考までに、両社の2011年4月現在の基本料金と従量課金単価を参考に記しておきます。(さっき気づいたのですが、現在では従量課金分もそれほど差がなくなったようです。見直した当初はLichtblickは21.99セント、EWSは23.90セントと2セント近く差がありました。)

Lichtblick基本料(月) 8.95 Euro
従量課金分(kWhあたり)  23,64 Cent

EWS基本料(月) 6.90 Euro
従量課金分(kWhあたり) 23.90 Cent

EWSにしてからの我が家の使用分を見てみると、
一日平均 3.02 kWh 0.93 Euro 1ヶ月30日として27.9 Euro
と悪くない結果となっています。料金体系が我が家の電気の使い方とうまくマッチしているようです。

投資金額が選べると書きましたが、1kW時あたり0.5セント、1セント、2セントの3つから顧客が選択します。ですからEWSでは純粋な使用分による料金よりも高くなる、というか、それを踏まえての料金設定なのです。我が家は1セントを選んでいますから、実際の使用分でみてみると一日あたり3セント(5円程度)が自然エネルギー発電設備の新規設置にまわされているということになります。こうやって計算してみると2セントに上げても無理のない金額だなとわかりました。

使用量と料金を正確に知って分析するというのは省エネを進める上で大切な第1歩です。どこで減らせるのかわからないという方はまず請求書とメーターを確認することから始めるとよいでしょう。そして、電気料金がどういう内訳で構成されているのか、電力会社がそれをどのように公開しているか、こうしたことを調べてみるだけでも今自分の家にひかれている電気がどんなものなのか、将来的にはどんな電気を使いたいか、そうしたことが見えてくるでしょう。

反原発運動から脱原発運動へ」というタイトルで先日記事を書いたのも、正面からの反対運動でなくて「いち抜ーけた」とばかりに原子力ゼロの電気へと消費者自身が替えていく脱原発ムーブメントが今ドイツで起きているのを目にしており、そんな日本の未来を夢想したからです。ですが、それも結局は選択肢が与えられてからなんだ、ということを再確認させられました。個人が電気を選べるように電力事業の自由化も急ピッチで進めてほしいですが、まず日本で個人がどんどん進めるべきはアンペアダウン大作戦でしょうか?我が家では2歳になった息子がスイッチON!スイッチOFF!を繰り返すなどいたずらが増えてくるなか、さらなる省エネ対策が課題になりそうです。
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by yumikov | 2011-04-08 20:21 | 環境のこと

25万人反原発デモのベルリンの様子を写真で

既に日本でも報道されているように土曜のデモには計25万人ほどが参加したという。ベルリンは12万人などと報道されていたが、ここ4年近く見ていて一番の人手だったのは間違いない。
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土曜のデモでは「原子力?おことわり」ポスターが配られ大勢が手にしていた。この太陽は長い伝統を持つ反原発運動のシンボルだが、先日その誕生逸話が南ドイツ新聞で紹介されていた。1975年デンマークはオーフスにて、アンナ・ルンドさんという当時22歳の女子学生がこの笑う太陽のシンボルと文句「ATOMKRAFT? NEJ TAK」を考案したという。以後これまで40ヶ国語に翻訳されている。ドイツ語は「ATOMKRAFT? NEIN DANKE」、日本語は今回の事故後初めて目にしたが以前からあったのだろうか?
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ポツダム広場の地下鉄駅を上がると人、人、人。交差点が人で埋め尽くされていた。
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ソニーセンタービル前。
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1979年ハリスバーグ(スリーマイル島)、1986年チェルノブイリ、2011年フクシマ。
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フィルハーモニー前。
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日本大使館付近。
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Siegessäuleへ向かう道。
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このカードも配布されていた。同じ言葉の入ったTシャツを売る姿も目にしたが買う気にはどうしてもなれなかった。
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反核つながり。
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by yumikov | 2011-03-28 17:24 | 環境のこと

シンボルとなったフクシマ

Anti-Atom-Demo am 26.03.2011
「フクシマは警告する、すべての原子力発電所を停止せよ!」
2011年3月26日@ベルリン、ハンブルク、ケルン、ミュンヘン

福島の原発事故のあとドイツでは各地での一斉デモが組織され、先々週は450ヵ所で11万人、先週は700ヵ所で14万人が集まり原子力発電所の停止を求めました。明日のデモは福島の事故とは無関係に各州選挙前に予定されたものですが、一体どれくらいの人が集まるでしょうか。フクシマという言葉を耳にしない日はなくその度に胸が苦しくなります。

2週間前の今日、これほどの長期戦になろうとは一体誰が予測していたでしょうか。それでも前を向いていかなければならない。いらないものを順々に整理して(まずmixi、twitter、facebook等SNSはすべてやめました)大切なものを問い直したら、ようやく一歩進む気持ちになってきました。
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by yumikov | 2011-03-26 05:05 | 環境のこと

どうかどうかもってくれ原子炉

東北地方太平洋沖地震の後の初の投稿です。金曜朝に地震の報道を聞いてからまったく試験勉強が手につきません。
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ベルリンでは今日18時に日本の被災者追悼の行進が行われました。アレクサンダー広場というだけで待ち合わせ場所も指定されていなかったけれど世界時計のところにパトカーが数台停まっていたのですぐわかりました。
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今日の行進は、反原発団体などが中心となりtwitter等で緊急よびかけがあったもの。私も知ったのが1時間半ほど前でしたが結局家にいてもずっとニュースをみている以外できないしと、日本人の友人中心にダメもとで声がけして出かけました。
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思ったよりもたくさんの人手で500人はゆうに越えていたと思います。直接呼びかけた友人たちは反応してくれましたが、そのほか日本人らしき姿はあまり見かけませんでした。
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参加者が手に持っている赤の蝋燭はお墓に飾るものだそうです。
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緊急デモなのにウンター・デン・リンデンを通行止めにできちゃうんだなぁ、と感心。
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横断幕には"Der Atomausstieg ist alternativlos. 脱原発以外に道はない"の文字。
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首相官邸のある角に着いたところその先まで近づけません。正面玄関前でのデモの許可が降りなかったということでしょうか。ここで私たちは黙祷して日本の被災者の方への祈りを捧げました。昼間にはシュトゥットガルトで6万人規模の反原発デモがあったドイツです。脱原発撤回路線のメルケル首相は退陣せよ!と声を荒らげる人も。

幸い私の家族は皆無事、大切な友人にも連絡がつき、危ない地域にいるはずの人もほぼ安否確認ができたのは幸運なことだと思います。不安なのは福島をはじめとした原発の事故の可能性。既に被曝した方もいると聞き、遠いドイツでやきもきしています。チェルノブイリの経験から最悪の事態を分析予測するドイツでの報道と、日本のパニック回避重視の報道との違いに戸惑いも感じます。ドイツのメディアも「日本政府や当局の説明も矛盾していていたり、隠そうとしていたり」と説明不足への不安が隠せません。

とにかく、今は原子炉にもってくれとしか言えない。
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by yumikov | 2011-03-13 07:58 | 環境のこと

私たちの水

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明日の日曜日には住民投票があります。

ベルリンの水道公社は1999年より一部が民営化されていますが、その契約に関する完全な情報開示のための法が必要かどうか、その判断が市民に委ねられるようです。Berliner Wassertischという市民団体が中心となって問題に取り組んできた結果が実を結んで契約公開が達成されたものの、どうやら完全に公開されていない疑惑があるようです。51.1パーセントを所有する水道公社に35パーセントだけしか利益がいかないのには、公開されていない密約があるに違いない、という見方です。

一部民営化の後、ベルリンの水道料金は2001年から2010年までの間にぐんぐん上がって約35パーセントも値上がりしました。その理由は水道公社の一部民営化。一部といっても49.9パーセントとほぼ半分です。値上げの一方で、買い取った会社では大幅な人員削減、いくつかの浄水場の閉鎖、など経費節減を進めて利益を上げています。飲料水という人間の最低限の生活基盤となるものを金儲けの対象にし、生活水準の低い市民を追い詰めるのは倫理的に問題がある。Berliner Wassertischの主張からは、このように水道公社の民営化自体に反対する市民運動の結果という見方もできます。

ベルリンでは2005年に住民投票が導入されて、今回で10回目だそうです。最低612,000票が必要ですが、結果はどうなるでしょう。先日紹介したジャンダルメンマルクト広場の木の伐採の問題とは違って、この住民投票ではドイツ国籍でない私は投票権がありません。住民投票にこぎつけるための署名に協力したけれど、あれも無効になったのかな?
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by yumikov | 2011-02-13 05:39 | 環境のこと

ジャンダルメンマルクト広場改造計画に思うデモクラシー

ベルリン屈指の観光地ともなっているジャンダルメンマルクト広場。その改造計画が持ち上がって早1年。行政担当者と周辺にオフィスや店舗を持つ企業、住民が議論を続けてきました。

当初の改造計画というのは、「ベルリンにエレガントで由緒ある商業的なサロンを」というコンセプトで、DDR時代からある敷石やコンクリートのプレートや段差を取り除き、100本以上あるカエデの木をほとんど切り倒して新しい木を植えなおすというものでした。改造計画全体に反対する人もありましたが、多くはこの「木をほとんど切り倒す」というアイディアに反対しました。計画側としてはこれらの木が視界を遮っているというのが理由でしたが、反対する市民は夏に署名活動を開始して、23,000筆を集めました。この署名の3分の1は住民以外のツーリストによるもので、法的基準を満たせなかったため無効となりましたが、政府は今一度みんなの意見を聞こうと住民アンケートの場を用意したのです。

そして先月1月25日にコンツェルトハウスで住民アンケートが行われました。結果、900人近く中596人がカエデを残すことを選択。州政府はその結果を受けて木は残し、敷石などは改修するという方針に変更しました。

すごいな、と思うのは、法的拘束力はないけれどもみんなの意見を聞こうと行政側がアンケートの場を用意し、拘束力がなくてもその結果をきちんと尊重するということ。さらにすごいと思うのが、この投票には誰もが参加できたということ。ジャンダルメンマルクトはツーリストが立ち寄る場であり、ベルリンの歴史の一片であるのだからベルリン市民だけの問題ではない、という理由で、住民だろうがツーリストだろうが、ドイツ人だろうが外国人だろうが、ジャンダルメンマルクトの改造に関心を持つものなら誰でも参加できたということ。すごいな〜。エジプトで今すごい動きがありますが、このジャンダルメンマルクトの件も民主主義についてあらためて考えさせられる明るいニュースでした。

ちなみに私も参加する気満々でしたが、週末に出かけてベルリンに戻った翌日ですっかり行くのを忘れていました。大事な予定はカレンダーに記入しないとダメな年齢になってきました。。。
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by yumikov | 2011-02-11 05:50 | 環境のこと

グローバルネット記事『クリスマスツリーの一生』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。1月号ではクリスマスツリーの一生というお話を書きました。クリスマスツリーを例に、木のことや家族と過ごす行事の意味など、皆さんと一緒に考えたいと思います。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』1月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
クリスマスツリーの一生
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 ドイツの新年の風物詩といえば、クリスマスツリーである。とはいっても飾ったツリーではなく、道端にごろんと転がっているツリーだ。ドイツでは生木を切ってツリーとして飾る習慣があり、毎年新しく木を購入する。クリスマスを過ぎてお役ご免になったツリーは、ベルリンでは年明けにベルリン都市清掃公社(BSR)が回収する。地区別に回収日が決められ、フリーペーパーなどで市民に告知される。ドイツではごみの回収は有料で剪定ごみも別にかかるが、ツリーの回収は無料である。クリスマスの雰囲気作りの主役ともいえるツリーが新年早々ごみのように出されているのを見ると、リサイクルされるとはいえ虚しさを覚える。BSR社によると、回収車約830台分のツリーが毎年回収されるという。

 ドイツ人にとってクリスマスは、家族で祝う1年で最も大切な行事である。子供のいる家庭にはツリーは欠かせない。プレゼントがツリーの根元に置かれるからだ。ツリーを置く習慣はいつ頃始まったのだろう。諸説あるようだが、ドイツではおおむね15世紀頃にさかのぼる。当初は貴重なモミを買えるのは裕福な家庭だけで、庶民へツリーが広まったのは19世紀後半のことだ。当時、森を所有していることが多かった教会の反対も、市民の習慣には勝てなかった。こうしてツリー栽培が始まった。


ツリーはどこからやってくる?

 クリスマスツリーは、現在ではドイツで毎年2,500万本が販売される大きな市場である。11月になると街のあちこちにツリーの臨時販売所が立ち並ぶ。数十cmのものから2m超のモミやトウヒ、マツがそろう。値段は15ユーロから、100ユーロを超えるものまである。現在ドイツで人気なのは葉先の丸いノルドマンモミだ。国産のものとしては香りの強いコロラドトウヒなどがある。
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 国内の産地としては、中西部の中級山岳地帯にあるザウアーラント地方やデンマークとの国境にあるシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州が主である。販売されるツリーの約10%は輸入で、その多くはデンマーク産だ。他にはオランダやポーランド、アイルランド、チェコから来る。ヨーロッパ全体では近年ツリー不足で、輸入ツリーの値段は上がっているという。東欧での需要が拡大したことや、過去に採算が合わずに商売をたたんだ生産者の影響が理由にあるようだ。お隣のオーストリアも同じような状況だが、ツリー生産者共同体は国産ツリーのPRを行っている。これが功を奏してか、市民は年々地元の木を選ぶようになってきているという。

 ドイツで売られるツリーの大半は森で育ったものではない。80%以上が高圧線やガスパイプラインの近くなどの特別用地などでプランテーション栽培される。ドイツでは1950年代にツリーの大規模なモノカルチャー栽培が始まった。これらは通常、殺虫剤や除草剤、無機肥料がたっぷりと施されている。均一に育ち、葉が濃い緑色になるようにだ。見た目よく育てるために遺伝子組み換えツリーも市場に登場する予定だという。


安全なツリー選びのポイント

 ドイツ自然保護連盟(NABU)は、認証を受けたツリーを購入するよう消費者に勧めている。お勧めは、bio、Naturland、FSC(森林管理協議会)の三つだ。bioは食品にも使われるEU共通の有機認証で、園芸センターでも目にする。Naturlandは三つの環境団体(ドイツ環境自然保護連盟BUND、グリーンピース、Robin Wood)による森林認証で、環境の視点からはFSCより厳格である。FSCは、持続可能性の視点から社会面・経済面も考慮した森林認証だ。NABUは、認証なしの木を買うのであれば、せめて地元の木、できれば間伐材を購入して欲しいと呼びかけている。Robin Woodでは、環境にやさしいツリー販売所を具体的に紹介している。このリストによれば、ドイツ各地の約40ヵ所で認証ツリーが購入できる。中には自分で切らせてくれる営林所もあり、それもまたいい記念になりそうだ。ベルリンでは、テーゲルやグルーネヴァルトの森にある森林局などでFSCとNaturlandの認証を受けたマツが買える。一方、近所の臨時販売所でも昨冬FSC認証の木を10本仕入れたのだが、まったく売れなかったという。そのため今年は置いていない。オーストリアのように地元ブランドや認証のPRがもっと必要なようだ。


バイオマス燃料と飼料に生まれ変わる

 ところで、BSR社によって回収されたツリーは、2009年からは電力会社Vattenfall社との協働によってリサイクルされている。年間約40万本が木片チップへ粉砕され、市内の二つの発電所へと運ばれる。これがコジェネレーションシステムで燃料として活用され、電気と熱を生み出している。ツリーから生まれる木片チップの量は年間2,700tで、褐炭2,000tの替わりとなり、3,000tの二酸化炭素(CO2)排出抑制効果と算出されている。このようなツリーの燃料としての利用はベルリン以外の自治体でも行われている。
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Vattenfallヨーロッパ・ベルリン支社代表クラウス・ピチュケ氏(左)、ベルリン都市清掃公社の代表ヴェラ・ゲーデ=ブッツラフ氏(右)と同社従業員たち


 また、売れ残ったツリーを動物園に運んで飼料にする取り組みは20年以上前から行われている。ゾウやアルパカ、クマ、ラクダ、シカなどが好んで食べる。葉の部分にある精油が消化を助けるという。

 木片チップも飼料も、有効利用という意味ではいいかもしれない。しかし、ツリーの回収にもエネルギーが使われるわけで、幼木が大量消費されることにも変わりはない。種子がまかれて2mになるまでには、樹種によって8〜12年かかるという。飾る期間は宗派や習慣によって異なるが、せいぜい2ヵ月だ。何年もの歳月をかけてようやく育ってきた木を、その2ヵ月のために一斉に切り倒す。根のついたツリーも一部売られているが、結局長持ちしない。鉢に入れて家の中の暖かい場所に置いた後にまた寒空の庭に植え替えても、もう木は生命力を取り戻すことはできない。

 Robin Woodはツリーを置かないというオルタナティブも提案している。ツリーが広まるずっと以前から、陽の差さない冬場に常緑の植物で部屋を飾って健康を願う習慣はドイツにあった。しかしそれは自然の宿す生命力をおすそ分けしてもらうという意味ではなかったか。折れた枝など身近にあるものを使って、松かさや鮮やかな木の実で飾りつけても素朴な美しさがある。家族の木をどこかに植えて毎年会いに行くなんていうのはどうだろう。ドイツでは新年ではなくクリスマスが1年で最も静粛で、自己や世界を見つめなおすときだ。その機会に子供と一緒にツリーについて根本から見なおしてみるのもいいかもしれない。


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週末をドイツのファミリーと過ごしてベルリンに戻ると、道端に転がっていたツリーがすっかり片づいていました。大晦日の花火の残骸に、犬の糞、すべり止め用の砂、1月あたまのドイツの路上はほんとうに目もあてられないひどい有様です。BSR社さん、ご苦労さまです。
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by yumikov | 2011-01-27 17:10 | 環境のこと

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