ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


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カテゴリ:環境のこと( 158 )

東京FMでドイツのエネルギーのお話

3月以降ドイツのエネルギー事情への関心が高まっていて、ラジオのお仕事が増えています。

今度は東京FMでおしゃべりしますので、今日の放送ですが関東のかたはよかったら聴いてみてください。

●放送局:TOKYO FM(80.0Mhz)
●放送域:東京、神奈川、千葉、埼玉(radiko:茨城、栃木、群馬)
●番組名:シナプス
●ナビゲーター:やまだひさしさん
●放送日:2011年11月9日(水)日本時間で午後1時〜4時の間(出番はたぶん3時以降)

翻訳稼業の地味な私には、ラジオの世界というのは気後れしてしまうところもありますが、「対象にわかりやすい言葉でメッセージを伝える」という面では同じことですから、これもトレーニングと思ってお引き受けするようになりました。(実は福島原発事故の直後にいただいたお話は、精神的に辛くて引き受けるとことができず、代わりにレポートを書かせていただきました。)

このブログのお引越し先をただいま準備中です。
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by yumikov | 2011-11-09 10:31 | 環境のこと

グローバルネット記事『“市民自治体”という発想の街づくり』

転居に伴い、月刊誌『グローバルネット』での連載「ベルリン発サステナブルライフ考」も9月号で最終回となりました。1年半の間、自由に書かせていただいた編集部の皆様、有難うございました。
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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』9月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
“市民自治体”という発想の街づくり
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 夏の休暇から戻ったあたりから街の至るところにプラカードが見られるようになった。ベルリンでは9月18日に市長選を控えている。ベルリン市は単独で一つの州を成しているため、事実上は州選挙だ。現在のゲイの市長ヴォーヴェライト氏(ドイツ社会民主党)はある意味ベルリンらしさを象徴していて根強い人気だが、今期、緑の党からレナーテ・キュナスト氏が出馬を表明して注目を浴びている。彼女はかつて連邦消費者保護・食料・農業大臣として有機農業の拡大を目指して意欲的な目標を打ち出した女性。フクシマの後に行われたバーデン=ヴュルテンベルク州選挙では州レベルで初の緑の党の首長が誕生したが、首都ベルリンではどうなるだろうか。

自治体の予算編成に市民が参加

 ベルリン市では12ある区のうち八つの区が市民予算という地域の予算編成に市民の意見を取り入れる制度を導入している。私の住むフリードリヒスハイン=クロイツベルク区でも2008年に導入され、私もこれまで地区の集会などで要望を上げてきた。ここでは国籍も、選挙権も、年齢も問われず、住民か区内で事業を行っていれば誰でも参加できる。市民の意見を聞く方法は自治体によって異なるが、わが区ではまず次年度予算を市民に公開し、市民が行政窓口や郵送、インターネット等で要望を出す。「あそこの角の緑地を整備してほしい」「○○保育所の保育士の人数を増やしてほしい」など、かなり具体的だ。次に地区ごとに集会を催し、その地区の要望を絞る。それを区議会と行政担当者で検討する。

 私の区は経験が浅く、市民に浸透しているとはいえないが、2005年から導入しているお隣のリヒテンベルク区では成果を上げ、参加率も2割程度に増えてきた。対象は17分野で、3,200万ユーロ分の予算が市民予算で調整される。これまで市民大学での移民対象のドイツ語講座や並木道へのベンチ設置など、平均して市民の提案の約4分の1が実現している。地区ごとの集会では託児や手話のサービスも用意され、誰もが参加しやすいようにしている。以前クリスティーナ・エムリッヒ区長さんに話を聞いたところ、この市民予算制度は職員の反発を押し切って区長がトップダウンで導入したそうだ。この制度によって市民とのコミュニケーションが円滑になり、今では職員もこの制度に満足しているという。

 ドイツでは不況の影響もあって市民予算制度の導入はここ3年で急速に進み、現在80以上の自治体が導入し、導入の議論をしている自治体を合わせると200近くに上る。ケルン市では毎年テーマを変えており、2010年は教育と環境保護がテーマだった。環境保護分野では、街路樹の植樹、壁面緑化、森の学校の維持、環境教育のコンセプト作り、自転車道の補修、車の速度制限ゾーンの設置などに予算を追加配分した。このように制度も多様化している。

“市民自治体”への道

 このリヒテンベルク区は、“市民自治体”を目指してこの市民予算制度に取り組んでいる。ベルリン市では2001年にそれまでの行政区が統合されて、一つひとつの区の規模が大きくなった。その際にリヒテンベルク区が主眼を置いたのが、“地域”で、区内を13ヵ所に区分けして地域センターを置き、特色づくりや取り組みを強化してきた。旧東ドイツ側に位置する同区は統一後の急速な変化の中で、いまだ抱える課題も多い。そんな中、市民一人ひとりの関与を重視した。市民予算制度も年々仕組みを改善して、市民の手で回るように運営自体における市民の関わりを強化している。例えば地域ごとの集会は、最初は行政が主催していたが、今では各地域の市民やNPOが行政の予算を切り盛りして、資料作成や広報を担っている。

 そもそも“市民自治体”とは何だろう。自治体の代議的な意思決定を、直接民主主義的な形態や、市民の自由意志や対話など民主的な協働によって補おうというものだ。ライプチヒ市では、市民活動のために事務所を提供したり、子供が生まれた全家庭にアンケートを行って要望を確認したりしている。エッセン市では、ボランティア・エージェントを作り、ボランティアをしたい個人や企業などを集めて公共の活動への仲介を行っていて、この団体運営自体も将来的には市民が行うことを目指している。

 市民参加の強化に長く取り組んでいるフィルンハイム市の市長の「市民自治体は議決できるものではなく、育つか育たないかだ。しかしそれを育てようとすることはできる」という言葉に反映されているように、市民自治体を宣言することには意味はなく、それを目指す継続したプロセスでの学びが各自治体に実りをもたらしている。ここでは各団体や企業、政治、行政からのアクターと市民が互いを尊重し、協力して自治体の方針や目標設定に携わる。市民にはさまざまな参加の機会によって社会的・文化的インフラを共に整備する権利が与えられるとともに、行政サービスの顧客としてだけでなく自治体を共に作る役割を請け負う。行政側は生活者の視点やニーズが得られるため、よりきめ細やかで効率よく質の良い対応ができる。どこの広場のベンチが壊れているかは住民がよく知っているというわけだ。また、市民のボランティア活動や相互扶助の価値をこれまで以上に公が認め、職業以外で個人が活躍できる舞台を地域に作る。地元企業の社会貢献を促すことも重視している。地域住民としての自覚を育むことで、自治へのコミットメントを促すということだ。 こうした市民自治体を目標とする動きはドイツ各地、そしてフランスやベルギーなど欧州全体へと広がりを見せている。そして、市民予算制度はこの市民自治体のコンセプトの中核を担うものとして位置付けられ、相互作用的に広まっている。

誰もが“自分の街”づくりに参加できる

 原発の稼働延長議論と並んで昨年ドイツ社会を騒がせた問題に「シュツットガルト21」がある。駅前大規模開発事業をめぐる対立だが、民主的決定プロセスや透明性の問題が次々と浮上し、一地域の問題から警察も力ずくで沈静化を図るほどの大騒動へと発展し、ドイツ中で物議を醸した。その反省から、今、ドイツでは再び市民参加の議論が活発になされ、3.11後の脱原発を決めるプロセスでもテレビでの公開討論を行うなど、影響を与えている。

 4年暮らしたベルリンをまもなく離れるが、「この街が好き!」という人が集まっているところが大好きだった。街の一等地にあるジャンダルメンマルクト広場の再開発では、街路樹の伐採の是非が問われて半年ほど前に対話の場が設けられた(写真)。
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驚くことに、この集会には住民のみならずツーリストも参加できた。この歴史的由緒ある広場はツーリストのための場でもあるから、という発想だ。ここにベルリンの懐の深さを感じた。結果に法的拘束力はなかったが、伐採計画は変更となった。このようなドイツの地域レベルの取り組みは、もちろん急に育ったわけでなく、ローカルアジェンダで市民と行政との協働を強化していったという基盤がある。顔の見える規模から始めて、地域→地方自治体→国→世界と視野を広げたら、もう誰もが地球市民。どこにいても「ここは自分の街」と思えるように魅力的な“街”を創っていくしかない。

本連載は今回で最終回となります。
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by yumikov | 2011-11-04 15:10 | 環境のこと

グローバルネット記事『都会の子供の遊び場』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。7月号では都会の子供の遊び場というテーマで書きました。ベルリンほど子育てしやすい”都会”というのはそうそうないように思います。あくまで”都会”の話ですが。

原稿で取り上げたのは主に子供の遊び場ですが、ベビーカーと一緒に入れる映画館、子供の遊ぶスペースのあるカフェやパン屋さんそしてビアガーデン、子育て中でも多くをあきらめまいとする子育て世代の親のためのサービスも充実しています。

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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』7月号より転載)
ベルリン発サステナブルライフ考
都会の子供の遊び場
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


 「少年少女は誰でも本能のおもむくまま思いっきり遊ぶ性分だ。それには動物や水、泥んこ、草むら、遊ぶための空間といった彼らと同じく徹底的にエレメンタリーなものが必要だ。これらなしで、絨毯やぬいぐるみ、舗装された道路や庭で育てることもできる。それでも生きるのには困らないが、彼らが後になって基本的な社会性の一部を体得できていなくても驚かないことだ。」アレクサンダー・ミッチャーリッヒ(ドイツの精神分析医兼作家)

 都心での子育てには車の交通や大気汚染など心配がつきまとう。ドイツ各地にある市民農園クラインガルテンは別名シュレーバーガルテンといい、自宅に庭のない都会の子供の健康を保つ機能としてシュレーバーさんという医師の提唱で19世紀半ばから広まったものだ。私たち家族もささやかな自家栽培のために4年前から借りているが、おかげで息子もミミズやカエル、ハチ、てんとう虫などと出会い、野菜づくりの様子を目にすることができている。

 子供の一般的な遊び場としての児童公園は、ベルリンでは充実している。街のいたる所に見受けられる印象だが、公的な児童公園は18歳以下の子供50万人に対し1,850ヵ所で、ベルリン児童公園法の指針の6割に過ぎず増設中だという。標準的な児童公園で2,000m2以上とゆったりとしており、起伏があったり近自然的な小川が流れたりと、画一的ではない。遊具は木製がスタンダードで、周囲の植栽にもよくとけ込んでいる。EN 1176というヨーロッパ19ヵ国共通の安全基準が遊具には適用され、認証機関TÜVの検査と認証が求められるため安全性も高い。ここはバイキング、あちらはインディアンと、公園ごとにコンセプトが異なり、カフェめぐりならぬ遊び場めぐりをするのも楽しい。
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 ベルリンの素敵な遊び場ランキングの上位にいつも入ってくる遊び場、通称ドラゴンランド(写真上)。それもそのはず、子供が計画に参加してできた遊び場だ。子供たちからの注文は、大きな子も小さな子も安全に遊べ、外からも中からも登ることができ、すべり台がついていて水遊びができるドラゴンだった。都市計画を請け負う会社が計画ワークショップに地域の子供たちと親を招き、そこで出た案を景観計画会社がモデルに起こした。仕上げの塗装なども子供たちが手伝い、全長17mの木製のドラゴンができあがった。この地区だけでも三つの遊び場が子供参加プロセスによって誕生している。

東で始まったプレイカー運動

 近所の教会前広場には、多彩な遊び道具を満載したワゴンが毎週やってくる。遊びを出前するというアイデアだ。このプレイカーは春から秋までの間、区内五つの広場を日替わりで回っている。今でこそ行政からの補助で2人の保育士が雇われているが、もとは旧東ドイツ時代に人口密度の高いこの地域で親たちが自主的に始めたもので、当時はリヤカーで遊具を運んだという。今は大概どの広場にも遊び場はあるのだが、プレイカーが運んでくるのは遊具だけでなく「テーマ性のある遊び」だ。今週は鍛冶屋、来週は病院、再来週は船乗り、と原っぱに別世界が登場する。とはいえ道具は板や棒などの廃材や布やロープで手作りしたシンプルなものばかりで、遊び方は子供たち次第だ。保育士は子供たちのサポートはするものの、想像力の邪魔をしないよう極力口は出さない。こうした可動性のある遊び場なら子供人口の変動にも柔軟に対応できる上、何しろコストが少なくて済む、といいことづくめだ。

西で始まった子供農園と冒険遊び場

 私たち家族がよく足を運ぶのがクロイツベルクの子供農園だ。園内ではヤギやウサギ、ロバやアヒルなどの動物が飼育されており、子供たちは指導を受けながら動物に触れたり餌をやったりできる(写真下)。ハーブガーデンがあったり、砂場などの遊び場やカフェも併設されている。就学年齢にもなれば、廃材などのガラクタを使って隠れ家作りなどができる冒険遊び場というのもある。ツリーハウスを作ったり、藁と土でレンガを作って壁に積み上げたりと、大人でも夢中になりそうだ。ここではノコギリもトンカチも、火を使うことも許される。親としてはハラハラしそうな場面もあるが、そこは指導員がいて安全面に配慮しているだけでなく、こうした場での事故や怪我がむしろ少ないことは証明されている。
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 この冒険遊び場は、整備された遊び場を子供に与えるよりも、荒れた空き地に子供自身が世界を作るほうがいいという発想で1940年代にデンマークで始まり、以後ヨーロッパに広まった。ドイツでは戦後の復興で時を待ったが、1960年代終わりから70年代頭の学生運動が盛んな時期に、オルタナティブな教育が求められた流れで、冒険遊び場が西ドイツに次々と建てられたというのもうなずける。ベルリンの壁崩壊後には、東ドイツでプレーカー運動をしていた人びとが中心となって、旧東にも子供農園や冒険遊び場が作られ、現在はドイツに400ヵ所以上存在するという。ドイツでは子供農園と冒険遊び場は、都会で自然環境への責任や、限りある資源を実践で学ぶ施設として共通の理念やコンセプトを持ち、併設されていることも多い。家畜の糞からコンポストを作り、それで野菜づくりをしたり、冒険遊び場に小動物のための巣を設けたりと、二つを線引きする必要がないのだという。ここでは年齢も性別も国籍も異なる子供が、違いを個性として尊重して共に遊び、社会性も育める。持続可能な都市づくりの先駆的な例としても広く認められている。

みんなの自発性から育てる遊び場づくり

 これらの遊びの場はいずれも親が主体となってボランタリーに始めたもので、活動が行政に認められてサポートを受けるようになった点が共通している。誰もがアクセスできるようにと利用料というのはない。だが、自治体の財政も逼迫するなか、寄付やボランティアは重要な支えとなっている。また、プレイカーでは遊具のメンテナンス、子供の農園では家畜小屋の掃除などと、子供も遊ぶだけでなく主体的に手伝う。これら施設には誰もが自主的に関わっているのだ。

 私自身は田舎で育ったので、幼い頃の遊び場は田んぼのあぜ道や庭や畑、用水路など、たまにお寺のブランコに乗るくらいで公園で遊んだ記憶がない。ベルリンは都市なりに上述のような魅力的な遊び場があるが、それでも都会での子育てには戸惑いがある。そうこうするうちに、とりわけ日本では、安全な空気や水、土壌が手に届きにくいものとなってしまった。子供たちから水たまりや砂場を取り上げることなど誰がしたいだろうか。今、子育て世代の自発性が試されているような気がしてならない。

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by yumikov | 2011-08-24 17:04 | 環境のこと

World Joint Club 6月号でドイツのグリーン電力選びを紹介

福岡のフリーペーパーですが、こちらのブログ記事をもとに「自由な電力会社選びでグリーンエネルギーが成長」という記事が紹介されました。ウェブサイトでもダウンロードできますので、よかったらご覧ください。

ワールドジョイントクラブ
WJC vol.64 6月号 16ページ

元ネタはこちらの記事「原子力ゼロの電気が買えるのがあたりまえの未来

脱原発の議論とともにグリーン電力にまつわる議論が日本でも盛んになっているようですね。朝日新聞にもドイツの家庭での電力消費などが紹介されていたとか。

メディアでも日常会話でもそうしたことに話題が向くのは喜ばしいことですが、気になるのが「脱原発すると一般市民の電気料金が高くなる」とか、「ドイツの電気料金は高い」とか言われているとかないとかいう話。きちんと具体例に基づいて実状を紹介して欲しいということもあって、我が家の光熱水費はつつみ隠さず公開しています ^ ^)。うちは自然エネルギーへの投資がエクストラでついた上のグリーン電力で3人家族で月30ユーロ(約3,500円)前後ですが、高いですかね? 私は自分の購入する電気に非常に納得&満足しているんですが。
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by yumikov | 2011-07-05 06:36 | 環境のこと

ロハスサンデーで紹介した環境フェス

イベント目白押しの6月。あっという間に過ぎました。

先月6月5日の世界環境デーに、丹羽順子さんがナビゲーターをつとめるJ-Waveロハスサンデーという番組で、ベルリンの環境フェスティバルの話や、今ドイツでグリーン電力への切り替え希望者が急増してパンクしている話などをさせていただきました。
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今年の環境フェスティバルは翌日6月6日で、今年もアウトバーンを自転車で疾走してきました。去年よりはるかに多く感じたのですが、この自転車デモの参加者数は15万人だそう。去年の20万人より減ったのは、4連休最終日にあたったこともあったのかもな、と。
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とにかく一緒に参加した友人と、ポツダムのオーガニックビールBraumanufakturのビールで乾杯!このポツダムの森にあるブラウワリーは前にもブログで紹介しました(「ポツダムの地ビールBraumanufaktur〜本編」)が、行く人みな絶賛。4月にも樽開けボックビールを楽しんできました。
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今年の発見はFSC認証材のKugelbahn(ビー玉をころがすおもちゃ)。認証材の木のおもちゃ自体は珍しいわけではないけれど、これはすべてのパーツが正方形で、好きに組み合わせてオリジナルのKugelbahnを作れるという優れもの。これは楽しい&美しい!
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切り株調の積み木。
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写真はスコールの後なのでがらがらですが、このベルリンの街のミニチュア上を鉄道模型を走らせることのできるコーナーも子供たちに大人気でした。
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コンポストトイレもありました。

そして遂にライダーズパンツというのですか?お尻のところにクッションが入っているパツパツの自転車用パンツを買ってしまいました。自転車旅行でそうした恰好の人々を見かける度になんだか大げさだなぁと思っていたのですが、ものにはちゃんとワケがある。長距離となるとサドルに骨があたって痛くなるのですよね。私も仲間入りです。

過去の環境フェスの模様は過去記事もご参照。
アウトバーン経由、ペダルをこいで環境フェスティバルへ
アウトバーンが自転車専用道路に
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by yumikov | 2011-07-04 06:18 | 環境のこと

原子力発電所を考古学的に撮った映画『Unter Kontrolle』

今年のベルリナーレで観る予定が、息子の急病でドタキャンした映画『Unter Kontrolle』(英訳するとunder control)の上映が始まったのでようやく観てきました。

このドキュメンタリーではドイツ各地とオーストリアの原発施設を次々とめぐります。

私も4月に訪れたグローンデ原発から始まり、福島原発後の措置で1号機が停止となったフィリップスブルク原発、東西ドイツ分断時代に東ドイツぎりぎりに建てられた放射性廃棄物貯蔵地モアスレーベンの地下、旧東にあり廃炉となったがいまだ解体作業の続くグライフスヴァルト原発、運転前にあえなく廃炉となって今は遊園地となっているカルカー高速増殖炉、同じく完成したものの国民投票で操業ストップとなったオーストリア最初で最後の原発ツヴェンテンドルフ原発などなど。

「原子力の考古学」という副題がついたこの映画、一世紀前の機能美というかテクノロジーや建築美といったものを描いているということで話題になっていました。「ユートピアは現実によって挽回された」。皮肉にも今このタイミングでの公開です。トレーラーはこちらから。未来から撮ったようなこの映画、日本でこそ多くの人に観てほしいと思ったし、20年後にもう一度、息子と一緒に観てみたいと思いました。

ところでオーストリアのツヴェンテンドルフ原発は、現在はドイツなど外国の原発作業員研修に使われているとは聞いていたけれど、2年前になんと太陽光発電所に生まれ変わったそう!外壁などにソーラーモジュールを搭載。そして福島第一原発と同時期(70年代初頭)に建てられ構造も同じ沸騰水型軽水炉で、安全に見学できるということからメディア対応に追われているそうです。放射線よりも太陽光を浴びようというのがオーストリアの選択。
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by yumikov | 2011-06-29 05:07 | 環境のこと

グローバルネット記事『原子力エネルギー×持続可能な発展のための教育(ESD)』

月刊誌『グローバルネット』で連載中の「ベルリン発サステナブルライフ考」。5月号のテーマは、サステナビリティ教育の視点からみた「原子力エネルギー」です。タイムリーな話題を多くの方に読んでほしいという編集部の計らいで、通常よりも早いタイミングでの転載を許可いただきました。グローバルネットの特集も「災いを転じて・・・」と興味深いものですので、本誌のほうもぜひお読みください。

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(以下、地球・人間環境フォーラム発行の月刊誌『グローバルネット』5月号より転載)

ベルリン発サステナブルライフ考
原子力エネルギー×持続可能な発展のための教育(ESD)
翻訳者 ユミコ・アイクマイヤー


3.11の後、ドイツの教育関係者も対応に大わらわだ。地震や津波そして原発事故について子供たちに説明する必要性に迫られているからだ。州の教育担当や環境教育や政治教育センターなど、まず現場に近い機関が迅速に動いて授業に活用できる情報源をまとめた。教材専門の出版社は専用の教材を作成し、無料ダウンロードできるようにした。政府も背景情報を学ぶための情報源などを公開している。エネルギー教育を行うNGOはひっぱりだこだ。ドイツの子供たちも不安を抱えており、親としても説明が求められる。

 そのなかで教育・科学組合(GEW)の反応が注目されている。これは保育士や教員、研究者の労働組合であり、ドイツ最大の労働組合組織ドイツ労働総同盟(DGB)の傘下にある教育部門という位置づけである。GEWは3月17日開催の理事会で一つの宣言文を採択した。これは日本の災害を受けた宣言で、原子力エネルギーとの決別を名言している。

 宣言文の後半の要旨は以下の通りだ。「われわれは教育者の組合として、今日および将来世代が人間の尊厳ある健やかな生活を送れることを目指しており、そのため原子力エネルギーの利用を明確に拒否する。原子力発電所の稼働延長を即刻撤回し、脱原発を貫くことを(政府に)要求する。青少年や大人が日本の災害を正しく理解する手助けをし、大学講義や授業、保育、研究会、公的な催しなどにおいては、原子力の危険性を批判的に見た上で解釈するよう、組合員に呼びかける。学校や大学のカリキュラムに持続可能な発展のための教育(ESD)を組み込むことを求める。大学や研究機関、研究助成機関、研究者個人には、自らの研究活動の帰結を常に省察し、科学の社会的な責任を意識することを期待する。大学や研究機関は研究やテクノロジーの影響を体系的に研究し、その結果を公で議論できるようアクセス自由にしなければならない」
 GEWはすでに1980年に原子力のエネルギー利用を拒否する採択をしているが、3.11を機にその立場を強めていく決意を発表したことになる。

 ドイツでエネルギー教育といえば再生可能エネルギーや省エネが中心で、原子力をメインに据える例を聞いたことがなかった。そこで教員やESD関係者、NGOに話を聞き、各州のカリキュラムも見たが、学校の授業自体で扱う内容に大幅に差があるとは思えない。原子力産業による教材もあるが、電力会社も教育活動としては火力発電に重点を置いている。調べるうちに、原子力エネルギーを持続可能な発展のための教育(ESD)で扱う例が出てきた。


話題を呼んだ連邦環境省の教材

 ドイツ連邦環境省は2007年に「停めても全然問題ない?〜脱原発をめぐる事実と論点」という教材を作成した(下写真)。これは脱原発政策を進めた前政権下で作成されたもので、教員が自由に活用できるようウェブサイトからダウンロードできる。子供たちがドイツの原子力エネルギー利用の実状やリスクを整理し、対立するさまざまな意見を知った上で、年齢相応の自然科学的・技術的知識に照らして原子力エネルギーに対する自分の考え方を構築し、それを精査できるようになるのがねらいだ。

 教材は、ワークシート、参考情報、インターネットでの調べ学習のためのリンク集、理解度チェックのためのテストと解答例、教員向けの情報で構成されている。対象は8〜10学年(13〜16歳)だ。ワークシートは、電力供給、気候影響、原料、事故、放射性廃棄物と最終貯蔵をテーマに対立する意見を学びながら進む。合間にはリスクに対する見方の違いや、チェルノブイリ事故の経過、世界での原子力エネルギー利用とその事情、各原子力発電所の停止スケジュール(当時)などの情報も掲載されている。教員向けの情報としては、ワークシートの活用法や解説、カリキュラムや各教科との関連が書かれていて、科学的リテラシーの説明と練習問題での評価法、ESDの対象となるコンピテンシーの説明と自然科学分野での学習目標の例、原子力エネルギーをテーマとした学習目標の例などが丁寧に説明されている。

 ドイツのESDの第一人者ベルリン自由大学のデ・ハーン教授が教材開発のプロジェクトメンバーに入っていただけのことはある。これを読むと、魅力的で前向きな原子力エネルギー授業ができそうな気になる。教材は国連ESDの10年のドイツオフィシャルプロジェクトの認定も受けている。練習問題に「地球サミットで定められた予防原則と照らして原子力エネルギーを捉えると、どのようなことが導き出されるか」といった問いまで登場するのには驚いた。確かに中立的に対立する意見を取り上げてはいるが、私には脱原発を正しく理解するための「脱原発教材」に見える。

 脱原発を望む人びとは政策の流れに合わせて作成されたこの政府の教材を歓迎した。しかし、連邦経済技術省や一部の政党からは「原子力に対してネガティブな見方に偏っている」「現在開発中の技術の説明やデータが載せられていない」など強い反発が起きた。しかし環境省は対応を変えなかった。現政権に代わった直後、この教材は突然ウェブサイトから消えた。今度はNGOが抗議し、現在はまた配布されるようになった。脱原発をめぐる議論が急速に動いている今、一部の内容は現状と合っていないが、原子力というテーマを前向きに扱う視点として、今なお参考に値する。


若者による若者のためのエネルギー教育

 上写真の三つ折りリーフレットはシリーズになっている。「ウランはどこからくる?」「核廃棄物はどこへ?」「原子力発電は温暖化を救う?」「原子力発電の電力は一体いくら?」など、原子力にまつわるティーンエージャーからの代表的な質問に答える形式だ。このリーフレットを作ったのは、自然の友という自然保護団体の青年部が立ち上げた「脱原発に関する環境教育イニシアティブ COUNTDOWN 2021」である。メンバーは16〜24歳の若者だ。

 彼らは、脱原発はESDにおいても重要なテーマであるとみなし、若者への情報発信を行っている。脱原発を考えるには十分な背景知識が必要だが、若者にとっては専門的な情報や報道をそのままのかたちで消化するのは難しい。それをかみ砕いて説明しているのがこのリーフレットだ。学校授業での活用も勧めている。ウェブサイトも充実しており、脱原発に関する情報を発信している。各政党の脱原発に対するポジションも公開しているが、これは原子力発電所の稼働延長が争点となった2009年の総選挙前に、各候補者に公開質問状を出して得た回答だ。ここで彼らは、エネルギー政策は未来世代に関わる問題であるにも関わらず、選挙権がない18歳以下は問題の決定に参加することができないという矛盾を突きつけ、選挙権のない子供たちの声も代表することになることを念頭において欲しいと訴えている。

 政府の教材の最後は、ドイツ基本法第20a条の言葉で締めくくられる。「国家は将来世代に対する責任においてもまた、生命に不可欠な自然条件を保護する」。サステナビリティの視点で原子力エネルギーを見る。私たちもそのトレーニングをしていこうじゃないか。
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ドイツ連邦環境省の教材「停めても全然問題ない?〜脱原発をめぐる事実と論点」へのリンクはこちら

脱原発に関する環境教育イニシアティブ COUNTDOWN 2021へのリンクはこちら
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by yumikov | 2011-05-24 20:06 | 環境のこと

鎌仲監督作品ドイツ上陸

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先週フランクフルトで開催されたヨーロッパ最大の日本映画祭NIPPON CONNECTION。福島の事故を受けて鎌仲ひとみ監督の『六ヶ所村ラプソディー』と『ミツバチの羽音と地球の回転』の緊急上映が決定!ということで行ってきました。ハインリヒ・ベル財団などの協力により緊急に上映が実現したらしい。エネルギーの視点から核の問題を問う3部作の2作品。

上映前に監督に「原子力?おことわり」ポスターを渡すと喜んでくれた。ベルリンからわざわざ持っていった甲斐があったというものだ。それにしても女子校生のように出待ちをして「これどうぞっ!」と渡したものが反原発のポスターなんてね。

『六ヶ所村ラプソディー』で印象的だったのは色々あるけれど、農家の女性たちの言葉。「反対運動一辺倒でなく日々の暮らしを楽しみながらやっていきたい」といったチューリップ農家の女性や、「原発問題に中立というのはないんだよ、中立では容認することになるから結果的に賛成になるんだよ、とある人に言われ、そこから考え出した」という、無農薬でお米を作っている農家の女性の言葉。お二方ともとても素敵で賢い女性だと思った。埼玉の実家では例年GW時期が田植え。土は、水はどうかな・・・、と思いを馳せた。

今回の上映はなんと監督ご本人による英語ナレーション。上映後には監督のトークがあり製作の裏話などが聞けた。200人くらい来てたと思うけれど、日本人は10人程度だった。もっと日本人に観て欲しかったな。会場では友人と作成したドイツのローカルなエネルギー政策事例のパンフレットをちゃっかり配布。ベルリンにも誘致できたらよかったけれど、自主上映会でもやりますかな。

地方紙に鎌仲さん登場しているので、ドイツ語のわかる方はこちらこちらをどうぞ。

このところ土と共に生きようという思いがさらに強くなっている。それに反して実際は、3月から生活がガタガタで庭の手入れも種まきや苗の準備もおろそかになっている。これじゃあいかんいかん。
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by yumikov | 2011-05-05 21:33 | 環境のこと

【土曜日まで】子どもに年20ミリシーベルト撤回を求めるオンライン署名

皆さんはもう署名を済まされましたか?

文部科学省が19日に発表した「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」についてを読んで、私は抗議文を文部科学省と官邸に送りました。1. 基準の妥当性の根拠説明、2. 予防原則を考慮した安全な基準の設定、3. 学童疎開体制の迅速な用意の3つを求める内容です。お返事くるかしら?

子どもに「年20ミリシーベルト」撤回を求めるオンライン署名なら簡単に意見できます。土曜日までの緊急募集。eシフトのサイトからどうぞ。

これが当事者にとってどのような基準かなのか、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)のサイトもご覧ください。特に【福島原発震災(48)】0.6μSV/h以上の学校の授業中止と学童疎開を、の記事を。福島の方々の不安な気持ちを思うと、同じ子を持つ親としていたたまれません。

ドイツのメディアの反応としてSpiegel Onlineの記事も参考までに。日本語訳(抜粋)はこちら
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by yumikov | 2011-04-27 06:36 | 環境のこと

トラクターTraktorと原子炉Reaktor

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今年のイースター休暇の締めくくりは原子力発電所の前で過ごした。明日4月26日でチェルノブイリ事故から25年になる。ドイツではイースターの最終日の今日、原子力発電所や中間貯蔵施設のある12ヶ所に人々が集まった。
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グローンデ発電所はノルトライン=ヴェストファレン州のヴェーザー川沿いに建つ原子力発電所だ。1977年の建設時には敷地内で2万人近くの人が抵抗し警官隊との激しい攻防があったそうだ。今年に入ってからもセラフィールド(イギリス)の再処理施設からのMOX燃料輸送に対しデモがあったという。原子炉にだいぶ近づいて見えてきたずらっと並ぶトラクターに「これか!」と感動を覚えた。かつて70〜80年代の反原発運動で活躍した伝説のトラクター。80台集まった各トラクターにはそれぞれメッセージが。「原子力エネルギーがイノベーションの妨げとなっている」「トラクターに乗った農家が病に倒れたと思ったら、近くにレアクトアー(原子炉)が」(←韻を踏んでるのがドイツらしい)
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決起集会で農家の人が語ることばも重みが違う。原発付近で暮らし作物を作る農家の切実な声。周辺に原発のないベルリンでのデモでは聞くことがないものだ。消費者に安全な作物を届けるために土や水とともに暮らしている農家の人たちだからこそ、その土地を守りたいという想いが強いのは当然だろう。
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畑の広がる片田舎に人が溢れている。ポニーの乗馬サービスを楽しむ子供たち。ソーラークッカーでの実演調理は大人気。グリーン電力会社は「もう変えましたか〜?」と営業。夏日の今日、アイス屋さんは大繁盛。出店はオーガニックのパンや野菜でVegan対応、ビールはオーガニック。器はデポジット式で自分で洗浄&返却、と環境面も徹底されて、まるでアースデー。そう、日本では今週末アースデー&エネルギーシフトパレードだったんですよね?
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3月11日がチェルノブイリのように記憶に刻まれるのはすごくつらいこと。でも25年前を振り返り、25年後を思う。25年後のその日に自分はどこでなにをしているだろう?トラクターでどこかに乗りつけているだろうか!?
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by yumikov | 2011-04-26 05:23 | 環境のこと

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