ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


by yumikov

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

気候変動とエネルギーセキュリティ

既にオフィシャルな報告(独語)が出ていますが、土曜に出かけてきたイベントの報告を忘れないうちに。緑の党(Bündnis 90/Die Grünen)主催の平和会議の一環で行われたパネルディスカッションです。

中心となったのは、
・気候変動、安定性と安全性の問題としてとらえれば・・・
・中国の気候変動に対する立場を知ろう

という話。

中身に入る前にユニークだったイベント会場の紹介を。開催されたのは我が家の近所の復活教会Die Auferstehungskirche)です。f0157115_6314143.jpg
この教会は第2次世界大戦でほぼ全壊に近い状態となりましたが、2002年に環境フォーラムとして生まれ変わり会議場などとして使われています。一定の湿度を保つための粘土の壁や、壁面・床暖房、コジェネレーション、太陽パネル、セルロース構造の壁など、環境にやさしい建築になっています。またケータリングサービスもオーガニックの食材を使ったものという徹底具合。緑の党のイベントにはうってつけです。

この日のパネラーは、
  ツァン・ハイビン氏(Zhang Haibin) 
  北京大学教授、中国国務院商務部貿易・環境問題担当諮問委員
  サシャ・ミュラー=クレナー氏(Sascha Müller-Kraenner) 
  アメリカの環境団体The Nature Conservancyヨーロッパ代表
  ディルク・メスナー氏(Dirk Messner) 
  ドイツ開発政策研究所所長
  ラインハルト・ビュティコファー氏(Reinhard Bütikofer) 
  緑の党(Bündnis 90/Die Grünen)代表

以下、まずはオフィシャルな報告のyumikov抄訳。ドイツ語のわかる方はこちらをどうぞ。
====================================================

安全性に対する脅威 気候変動

気候変動は国際的な安定性と安全性に大きなリスクをもたらす。この点では、本会議のパネル3の参加者は一致していた。しかし、国際的レベルでの協業は成功するだろうか?そして、中国の気候変動に対する立場やいかに?

「地球のシステムの非常に大きなねじを回しているところだ」とメスナー氏は警告する。
「(温度上昇の読みが)4度違えば、アジアのモンスーン体制が崩壊し、農業へ致命的な影響を与える。その結果起こる食糧不足は、地域全体の安定性に大きな脅威を引き起こしかねない。
だから、”気候変動は社会変動”になりうるのだ。」

ミュラー=クレナー氏は、「気候変動は既存の安全性の問題を悪化させる恐れがある」と言う。「なので、さらに気候政策の手段をしっかりと構築する必要がある」。また、「適応対策のためのリソースがあまりにも不足している」ことを批判。

ハイビン氏は、「中国政府は気候変動により安全性が脅かされる危険があることを受け入れていない」という。「政府は国家的な経済的躍進にとりわけ専心しているところであり、近年で200万人足らずの人々が貧困から開放された見込み。気候保護は経済成長を10パーセント下げる恐れがある」。

さらに、ハイビン氏はEUの気候保護における模範的役割を強調。「我々はドイツやEUから学んでいるところである」。ミュラークレナー氏も先駆者の役割を指摘する。が、「我々は社会的な制限がどうやって埋め合わせられるかを中進国に提案する必要がある」ことを強調。

この点でメスナー氏は、気候変動においての技術やノウハウをよりよくつなげられるよう、欧米と中国との協業に賛成の意見を表明した。ハイビン氏は時折、中国政府がこれまでの交渉において非常に協力的であったことを強調した。

ビュティコファー氏は、気候政策が安全性政策の脅威の克服のための新しいマルティラテラリズム(多国間主義)のプロジェクトとして適しているのではないかと暗示する。
                                                    (以上)
====================================================

注目が集まったのは中国の話。
ハイビン氏は、まず「学生諸君に言いたい。EUの政策を見ろ。ドイツの政策を見ろ」とEUの環境政策に対する褒め言葉で口火を切りましたが、パネル中の発言や質問に対する返答は以下のようなものでした。
「はたして気候変動の問題は安全性の問題だろうか?」
「中国にとっても大きなチャレンジだが、世界にとっての大きな挑戦である」
「中国ができる唯一のことは持続可能な発展だけである」
「これからは市民や政府ではなく、環境NGOが力をつけるだろう。中国にはまだ時間が必要だ」

オフィシャルな報告にはあまり出てきてませんが、ビュティコファー氏の発言は次の通り。
「気候変動は自然やエコロジーの問題ではなく、社会的分配の問題。経済政策と気候政策、安全政策を一緒に考えるべき」
「バリ会議での態度を見ても、中国は自国がどのような影響を与えるかよくわかっている。中国に注目すべきである」
「ドイツは中国に技術や物資を提供できるが、政治的には難しい」
「中国には貧困の問題もあるし、社会問題にもお金がかかる」

エネルギー依存の問題も出てきました。
「EUの再生可能エネルギーにしても、バルト海のパイプラインなど、まだ十分に議論されていない。チェコやスロバキアが第3次エネルギーパッケージに参加したらどうなるだろうか。これは外交の問題であり、各国の利害が異なることによる。」※ドイツはバルト海の海底に天然ガスパイプライン建設する計画をロシアと合弁で推進している

パネルディスカッションの参加者は300名ほど。学生らしい若者も多く見られました。
長期ストライキ中のベルリンで、地下鉄もトラムを動いていない中、参加者にも影響があったと思いますが、そこはドイツ。会場前にはたくさんの自転車がならんでいました。

環境関連のブログランキングに参加しています↓よかったらクリックしていってください♪
にほんブログ村 環境ブログへ
FC2 Blog Rankingエコロジーランキング

[PR]
by yumikov | 2008-03-14 06:28 | 環境のこと

最新の記事

今後はウェブサイトでお会いし..
at 2011-12-18 22:01
東京FMでドイツのエネルギー..
at 2011-11-09 10:31
グローバルネット記事『“市民..
at 2011-11-04 15:10
さよならベルリン
at 2011-10-25 22:12
グローバルネット記事『都会の..
at 2011-08-24 17:04

以前の記事

2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
more...

タグ

(68)
(63)
(49)
(31)
(29)
(28)
(27)
(24)
(22)
(21)
(20)
(17)
(15)
(14)
(12)
(12)
(9)
(7)
(5)
(3)

検索

リンク&お知らせ

プロフィールはこちら

月刊環境情報紙グローバルネットにて”ベルリン発サステナブルライフ考”連載中。(2010年5月号〜)

NPO法人「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD-J)のドイツ地域レポーターをやっています。

ご意見・感想、叱咤激励もお気軽に。
email: yumikov (at) excite.co.jp

写真・記事等、転載ご希望の際はご一報ください。copyright©2007 yumikov all rights reserved.

●リンク●
フリードリヒスハイン周辺map

auf deutsch

「東北関東大震災」支援クリック募金

Stop

一日1クリックで 砂漠緑化に協力しよう

hejdagmo.se

フィフティ・フィフティ

ライフログ

ドイツ環境教育教本―環境を守るための宝箱

グローバルな正義を求めて

未来は緑―ドイツ緑の党新綱領

市民・地域が進める地球温暖化防止

最新のトラックバック

キャンプ場調査報告
from キャンプ場
ポツダムの地ビールBra..
from 自転車旅行@cyclingl..
Itinerary (I..
from Life is beauti..

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧