ベルリンからローカルな環境政策や草の根NGO・市民活動、サステナブルな暮らしなどをレポート。


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やめないで!助産師さん

こないだ息子を小児科に連れていった際に気がかりなニュースを目にした。
ドイツで助産師という職の存続があやぶまれるような状況になりつつあるというのだ。
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助産師の仕事はひとの命に関わるわけだから、当然のごとく責任重大であるしリスクはつきもの。助産師さんの過失により赤ちゃんに重大な損害が起こるケースが増えているわけではないし、医療の発達で難しいお産でも命をつなぎ止めることができるようになっているのだけれども、親御さんからの損害賠償請求は増えているのだそう。

そのため助産師さんが支払う賠償責任保険の負担額が今度の7月から前年の50パーセントもアップする予定で、そうなると助産師さんは本業である"お産"ではいよいよ食べていけなくなってしまう。これまでの報酬だって仕事に見合った金額とはほど遠いものだったのだから、これではとどめを刺すようなもの。

1992年には年間179ユーロだった負担額が年々引き上げられ、2009年にはついに2370ユーロにという具合。おかげで助産師さんの数は23%にも減ってしまった。このままではこの7月以降3689ユーロに上げられてしまう。

ドイツには約1万8千人の助産師さんがいてその多くはフリーで仕事をしているという。フリーの助産師さんはひとりあたり年に30〜40人を抱えている。病院でのお産の介助をする場合の収入は237ユーロ、助産院の場合で445ユーロ、自宅出産の場合で537ユーロだという。これがどれくらいになるかは計算すればわかるけれど、そこから諸々の税金や問題となっている損害責任保険の3689ユーロを差し引いたら手元には一体いくら残るというのだろう・・・。

そうなると、助産師さんはお産の介助は諦めて両親学級や産後の自宅訪問などをするしか道はない。締めざるをえない助産院もでてきているそうだ。

私はひとにお産のことをたずねられてもつい「よかったよ〜」と答えてしまう。痛みもどうも忘れてしまったらしい。友人に「そんな答えを返されたの初めて!」と驚かれてから、あらためて自分のお産体験が幸せなものだったことを実感した。

一番の理由は助産師さんの介助で出産できたことだと思う。助産院のアットホームな雰囲気ももちろん私には大切だったけれど、助産師さんたちの温かい充実したサポートなしではこのような満足感は残らなかったと断言できる。

妊婦検診に自宅に通ってくれ、臨月には鍼を打ち、息子をとりあげ、産後も赤ちゃんのお世話の仕方から母体の回復まですべてをケアしてくれたマリーナ。若くてオシャレなシングルマザーで、発言に迷いがなったからいつも安心できた。予防接種の相談にも乗ってくれ、よい小児科医も紹介してくれた。
アニーナも産後の新生児黄疸をすばやく見抜いて病院に案内してくれた。
臨月に腰痛を和らげるマッサージをしてくれたエファは、産後に乳腺炎になりかけたときにも相談に乗ってくれた。体だけでなくて心もリラックスさせるのが上手な彼女は、新米ママの心の問題にも踏み込みどっしり構えていて頼もしいことこの上なかった。

マリーナも半年ほど前にはお産の介助はもうやめて妊婦と産後のコースだけをするようになったと聞いた。やはり経済的な理由からだろう。次は他のひとにお願いするのかと思うとさみしい。

次のお産もドイツの助産院で!と願う自分にはとっても気がかりなニュース。助産院で産まれた子どもたちを中心に診る小児科の先生のところでは署名を集めていた。あと10日ほどのあいだに5万筆を集めて連邦議会に請願書を提出したいとのこと。署名に協力できるかた、ぜひお願いします!詳しくはドイツ助産師連盟のサイトをご覧ください。
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by yumikov | 2010-05-07 22:06 | ベルリン生活のこと

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